one years ago -12 ページ39
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注文を伝えたついでに厨房に寄って翔くんの姿を探す。
きょろきょろと見渡すと、先ほどと同じように真剣な顔でチョコレートケーキを作っている翔くんを見つけた。
人の間を縫って近づくと、気配に気づいたのか翔くんが顔を上げる。
「あれ、お前休憩は？」
「ちょっと仕事頼まれて」
「あっそ、そりゃお疲れ」
「うん……それでね、翔くん……」
「？なんだよ」
口ごもる私を見て翔くんが怪訝そうに眉をひそめた。
どう告げるべきか悩みながら、それでも何とか言葉をまとめて口を開く。
「さっきね、本多教授の研究チームに会ったの」
「！」
そう言ったとたん翔くんの目が見開かれた。
明らかに動揺したように、大きな瞳がきょろきょろと動く。
手元のパレットナイフが、ざっくりとケーキの表面を削ってしまっていた。
「大丈夫……？」
「……やり直しだ」
大きなため息を吐いて、ナイフを拭きながら翔くんは真面目な顔をして私を見やる。
「そうか、お前に当たったんだ」
「当たった？」
「いや、こっちの話。それで？」
「あ、それでね、相葉さんが……その……」
話をしたいって言うから夜に相葉さんと会うね、と一言いうだけなのに上手く言葉が滑り出てくれない。
罪悪感のようなものが喉を押しつぶしているみたいで、息苦しささえ感じてしまう。
新しくケーキのクリームを塗り始めた翔くんは先を促す様にまた私の顔を見やった。
「……話したいことがあるって、言うの」
「それで」
「だから、夜に会ってから帰ろうと思って」
「……そう」
翔くんは驚くほど抑揚のない静かな声で頷いた。
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iCHiKA(プロフ) - 喜美さん» コメントありがとうございます！1年前の時点ではSさんとのこんな日々になっております。Aさんがどうするか、どうなるかは、もうしばしお待ちいただきますが、お楽しみいただけたら嬉しく思います。引き続きよろしくお願いいたします！ (2021年7月14日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - ともさん» そうなんです、ちょっとわかりづらい構成ですみません。のんびりと引き続きお付き合いよろしくお願いします！ (2021年7月14日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
喜美(プロフ) - 毎回楽しみにしています。おー！翔ちゃんと？いやいや、どうなるのかな…続きを早く読みたいです！ (2021年7月14日 1時) (レス) id: b4e19f43f3 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あ…そーゆー事なんですね(￣▽￣;)先走っちゃいました（≧∇≦）ﾃﾍﾍ (2021年7月12日 22時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - ともさん» 驚かせてすみません！この年はAさんの登場まで少しあるので、今しばしお待ちください。2年前の最後にAさんとは色々ありましたしね、その後ヒロインちゃんの日々はこのように変わりました。このあとAさんがどうするかは、もうちょっと先なので見守ってください！ (2021年7月12日 21時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年6月7日 22時
