イージーモード (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:29 hit

2話ページ2

書類を片しても片しても無くならない机を見て溜息が溢れる

「不労所得で生活したい」

そんな独り言を呟いてはタバコ吸いに喫煙所に行く

「まどかさん、お疲れ様です」

先に喫煙所に居た子がお辞儀してきたからお疲れ様と返して入れ違いで入るとポケットに入ってるスマホがバイブしていいるのに気ずく

タバコに火をつけてポッケからスマホを取り出せば画面には
“黒尾鉄朗”と表示されていて顔が歪む

「もしもし」

『よお、ダイコクプロダクションのCEOサン』

「切るわ」

思わず声を聞いてムカついたからそういえばちょっと待ってちょっと待ってと止められる

「なに？」

『今日の夜暇してる？』

「してない」

『研磨がって言っても？』

研磨

その名前を聞いて私はフリーズしてしまう

私の人生イージーモード

高校2年生までずっと思ってたいや今でも少しは思ってる

実際23で芸能事務所のCEOになってるし

ともかく高校生の時はそんな思いから人生はつまらないものなんて思ってた

高校2年生の時、たまたま席が隣になった

孤爪研磨くん

何故かすごく興味を惹かれた

なんに対しても無気力な癖してバレーとゲームは物凄く真剣にやる彼の内心を知りたかった

どうしたら、そんなに楽しめるんだろうって

最初は面白半分だった

けどどんどん彼を知っていくうちに孤爪研磨に惹かれて言ってる自分がいた

ゲームも前ならすぐ攻略しちゃうのがつまらなくて、すぐ飽きてたのに研磨とやるゲームはすごく楽しくて見事にハマってしまった

3年生に上がって私自身研磨の事が好きということにも気づいていた

それでもこんなに楽しい日々を手に入れたことによって失うのが怖くてずっと何も言い出さないでいた

卒業式の何日か前に研磨と帰っている時に言われた

『まどかって俺と一緒にいて楽しい？』

その言葉は私の心に刺さった

思わず私は研磨に対して、研磨は何もわかってないと言って別れて帰ってしまった

そのあとは一言も話さず、お互い卒業した

私は彼氏もできたりしたから必然と研磨の連絡先は消した

それなのになぜ今？

彼は世界的に有名だし、何も不自由ないだろうし私なんてもう関係ない

『おい？聞いてんの？』

黒尾の声でハッとする

まぁ別に言っても損はないしなと考える

「わかった、いくよ」