□日吉若side(4) ページ35
悠斗と雅が俺を振り返る。
呆れられるかと思ったが、二人はどこか諦めたかのように笑っていた。
「そう言うとは思っていたぜ」
「怪我はしないでね？」
「……すまない。善処はする」
伊藤さんのもとに行く俺の背中を、二人は軽く押す。
なんだかAのことを任されたような気持ちになった。
それから、伊藤さんにあいつがいつも乗っているであろうリムジンに連れられる。
すでにリムジン内には先客がおり、どこかで見たことがあるな、と記憶をたどれば、あいつによく付いていた護衛だった。
伊藤さんは気にするなと言っていたが、気になる。
このリムジンはあいつが“無事に”助かれば乗せられるリムジンで、専属護衛であるこの人はもっと前線のところにいると思っていた。
それこそ、あいつのもとに一番に駆けつけられる、そんなところに。
まぁ、俺には関係ないことか。
あいつを救助する実働部隊が現地に向かったと伊藤さんに連絡が入り、俺たちも後を追う。
あいつが捕まっていると聞いた、車で30分ほどかかった山奥の一軒家の物陰に俺たちはたどり着いた。
Aが助け出されたと連絡が入るまで、俺たちはそのままリムジン内で待つ。
それにしても、跡部家に電話が来るのに時間がかかった割には案外近くにいたんだな。
もっと遠くに連れ去られているかと思っていた。
Aが早く助かりますように、と手の握って祈っていると、どこからか微かに車のエンジン音が聞こえてきた。
「……今の音、聞こえました？」
「なにか聞こえましたか？」
「いえ、私には何も……」
Aの顔を早く見たいと思った俺の幻聴か。
「車のエンジン音が聞こえた気がしたのですが——」
「それは本当ですか？！」
伊藤さんの顔色がサッと変わる。
なにかまずかったか。
「いえ、でも気のせいかもしれ——」
「聞こえたんですね」
「はい」
伊藤さんは舌打ちをすると、すぐに
「すみません、坊っちゃんにではないですよ」
と断り、どこかに無線で連絡を入れる。
同僚の警察にだろうか。
これで俺の気のせいだったら申し訳ないな。
二言三言やり取りをしていると、ミシリと無線が嫌な音を立てて伊藤さんに握りしめられた。
「はあっ！？ 裏には人をやってない！？ おま、なんで……いや、それは後でだな。とにかく裏にも人をやれ、いますぐ！ 俺もすぐに向かう！」
突然の伊藤さんのらしくもない乱暴な口調の叫びに、なにか良からぬことが起きていると察する。
伊藤さんの青ざめた固い表情がそれを物語っていた。
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かるぴん(プロフ) - 悠莉さん！お元気そうで良かったです！いえいえ謝ることは全くありません！！そしてしてまさかの更新！？すごくずこく嬉しいです。ありがとうごさいます！これからも楽しみにしています。無理ない範囲で頑張ってください！応援してます！ (2023年3月8日 3時) (
レス) @page33 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - かるぴんさん» お久し振りです…！前回のコメントより更新できず、すみません…更新が止まっている間も何回もお読みいただきありがとうございます…！続きも楽しみにしていただき、感謝してもしきれません…！少しだけですが更新しますので、もう少しだけお待ちください…！ (2023年3月5日 23時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 悠莉さんお久しぶりです。お元気ですか？またまたこの作品を読み返していました。何回読んでも面白くて読む手が止まりません(笑)この作品と悠莉さんの大ファンです！続きがありましたら是非読みたいです！ (2023年2月15日 15時) (レス) @page32 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 悠莉さんお元気そうで安心しました😌お忙しい中返信していただきありがとうございます！いつまでも楽しみに待ってます🙋♀️これからもお体に気をつけてお過ごしください☺️ (2022年5月19日 3時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - かるぴんさん» 返信が遅くなり、すみません🙏かるぴんさんお久しぶりです…！続きを楽しみに待っていただきありがとうございます…！気が付けば1年以上お待たせしていますね…私生活に慣れて落ち着いたらまた書き始めたいと思うので、今しばらく待っていただけると嬉しいです…！ (2022年5月18日 21時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2020年10月5日 20時
