■(8) ページ13
目覚めると、そこは私の部屋のベッドの上だった。
ベッドの足元では、お兄さまが椅子に座って本を読んでいらっしゃる。
ゆっくり起き上がると、パチリとお兄さまと視線が合った。
『おにいさま……？』
「ようやく起きたか」
『わたし……学校は……？』
ねぼけた頭では、思考が追いつかない。
何が起きたんだっけ？
「倒れたことは覚えているか？」
『えぇ……』
「日吉になにかされたか？」
『まさかっ！ そんなことありません！』
想像もしていなかったお兄さまからの言葉に慌てて首を横に振る。
若くんは、私の嫌がることは決してしない。
それだけは確かだ。
『お兄さまは、誰に何を聞いたのですか？』
「Aを連れ帰るときに、校医から『突然、日吉と話していたら叫んで倒れた』ってことだけ聞いたな。間違っていないか？」
『間違って……はいません。ですが、若くんは何もしていません！』
「本当に、日吉が原因ではないんだな？」
心配そうに眉を下げたお兄さまに、私は何度もうなずく。
お兄さまは額に手を当ててうつむいた。
それからあーーー、と低い声でうなり、私はビクリと震えた。
『お兄さま……？ どうなさいましたか？』
「……自分が原因でおまえが倒れたんじゃないかと気に病んでいたから、明日謝っておけよ」
『若くんが、ですか？ もしかしてお兄さま、若くんに会ったのですか？』
「……あぁ」
歯切れの悪い答えに、首を傾げた。
『若くんに、なにかしましたか？』
「ちょっと、な。悪かった、と伝えてくれ」
『……お兄さまが何をしたかによりますかね』
いわく、お兄さまが校医の先生から話を聞いたあと、ちょうど授業も終わって私のお見舞いに医務室にやってきた若くんと鉢合わせてしまったそう。
そこで、若くんを“少し”責めてしまったそうで、若くんにとってはとばっちりだ。
『……私からもちゃんと謝りますね』
「あぁ、すまない……」
それから、タイミングよく私のお腹が鳴ってしまい、ベッドから降りて食堂に向かう。
お兄さまと仲良く手をつないで歩いていった。
食堂に足を入れて、ふと壁の方を見ると、額縁に入れられて飾られていた、私が“三歳のときに”書いた手紙が視界に入って、小さな悲鳴が漏れた。
なぜ今まで気がつかなかったのだろう？
それは見覚えのない文字で書かれていた。
『ど、うして……っ』
私は、満足に英語を知らないというのに！
私がかつて書いたと思われる、“英語で”書かれた手紙を見て、私はもう一度意識を失った。
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かるぴん(プロフ) - 悠莉さん！お元気そうで良かったです！いえいえ謝ることは全くありません！！そしてしてまさかの更新！？すごくずこく嬉しいです。ありがとうごさいます！これからも楽しみにしています。無理ない範囲で頑張ってください！応援してます！ (2023年3月8日 3時) (
レス) @page33 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - かるぴんさん» お久し振りです…！前回のコメントより更新できず、すみません…更新が止まっている間も何回もお読みいただきありがとうございます…！続きも楽しみにしていただき、感謝してもしきれません…！少しだけですが更新しますので、もう少しだけお待ちください…！ (2023年3月5日 23時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 悠莉さんお久しぶりです。お元気ですか？またまたこの作品を読み返していました。何回読んでも面白くて読む手が止まりません(笑)この作品と悠莉さんの大ファンです！続きがありましたら是非読みたいです！ (2023年2月15日 15時) (レス) @page32 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 悠莉さんお元気そうで安心しました😌お忙しい中返信していただきありがとうございます！いつまでも楽しみに待ってます🙋♀️これからもお体に気をつけてお過ごしください☺️ (2022年5月19日 3時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - かるぴんさん» 返信が遅くなり、すみません🙏かるぴんさんお久しぶりです…！続きを楽しみに待っていただきありがとうございます…！気が付けば1年以上お待たせしていますね…私生活に慣れて落ち着いたらまた書き始めたいと思うので、今しばらく待っていただけると嬉しいです…！ (2022年5月18日 21時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2020年10月5日 20時
