Who Are You ? -3- 【テニスの王子様】

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「せや！ 俺は侑士と違うてロリコンちゃう！」


謙也さんの悲痛な叫びが引き金となった。

四天宝寺の皆さまはもう耐えられなくなって、崩れ落ちておなかを抱えている。

忍足さんは皆さまが思っていても直接言っていなかった“ロリコン”という言葉が不服だったようで、


「俺もロリコンちゃうで」


今まで見たこともないほどの綺麗な笑みを浮かべていた。

そこで口を閉じればきっと平和的解決が望めたというのに、


「Aちゃんだけやからな」


なんて続いたものだから、お兄さまからは謙也さんのときの比ではないくらいどす黒いオーラがあふれていた。

お兄さまは謙也さんに背を向けて、今度は忍足さんの前に仁王立ちとなる。


ア、アウトーッ！

どうしようもないくらいにアウトですよ、忍足さん！！！

ただのロリコンだったらまだマシだった。

だけど「私だけ」なんて、お兄さまにとったら許しがたい言葉。

だって、それがどんな意味を持つのか。

もしかして幼くない私でもオッケーということで、成長してもオッケー……？

え、むしろ忍足さん光源氏計画とか立ててます？


お兄さまから冷気も流れているように感じるのは気のせいではないはず。

私は気のせいであってほしいんですけど！！！


『わー！ おにいさま！！！ しあいはみなくてよろしいんですか！？』

「見なくても分かる。D２はうちの勝ちだ」


忍足さんから気をそらすための私の叫びは無駄となる。

コートに視線を向けると、お兄さまの言う通り崇弘さんたちが押していた。

それは意外な結果で、でも勝っていることは事実。


「S３もうちが勝つはずだったんだがな？ いったいどういうことだ、忍足？」

「……それはほんまにすみません」


ダメだ！

どうやら私は助けるつもりが藪へびをしてしまったみたいです。

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