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それから、私はお姉さまの陰から飛び出してお兄さまに高らかに宣言した。
『きょうはAにかまわないでくださいね！』
傷口に塩を塗るような言葉に、お兄さまは灰になる。
悲しむお兄さまの姿に心が痛むけれど、ここで心を鬼にしなければお兄さまのシスコンは止まらない。
せめて、もう少し人前では抑えてほしい。
お兄さまたちに背を向けて、お姉さまに手を差し出す。
『もしよろしければAとすこしおはなししてくれませんか？』
「……私でよければ」
お姉さまは私とお兄さまの顔を何回か見比べて、ゆっくりと私の手を取った。
そして私たちは誰でも使える遊戯室へ向かう。
雅ちゃんは楽しそうにニコニコと笑って私の横に並んだ。
残っていたちびっ子たちも中に戻るようで、私達についてきたけれど遊戯室までは来なかった。
それに私たちについてくると思った若くんがなぜかお兄さまのところに駆け寄り、それに付き添ってか悠斗くんも外に留まった。
遊戯室には人がたくさんいたけれど、遊びに夢中で誰も私たちが遊戯室に来たことに気が付かなかった。
遊戯室の一角にある、待合室にあるような大きなブロックを椅子代わりにして、３人で丸くなって座る。
お姉さまの担当クラスの子たちがいなくなったことで、早くお姉さまを元の教室に戻すために、改めて何から話そうかと悩んでいると、ショボンと落ち込んだようにうつむいたお姉さまが先に口を開いた。
「さっきは急に話しかけてごめんなさい……」
『Aも、にげだしてごめんなさい……』
それからよくよく話を聞いてみれば、このお姉さまは忍足さんと同じクラスの方だったらしい。
つまり、２年生。お兄さまの後輩。
強く言えないわけである。
それなのに、私を助けてくれた。
さっきわざわざ外に出てきて、私に話しかけてきたことで警戒してしまったけれど悪い人ではなさそうだ。
『ところで、なにかAにようじがありましたか？』
「んー……もう大丈夫」
弱々しい笑みは、きっとお姉さまの中では解決していない証拠。
助けてくれたお礼と言ってはなんだけど、１つくらい取り留めのないお兄さまの情報を売ってしまおう。
『おにいさまのことでしたら、なんでもおききください！』
任せてください！ とばかりに胸を叩けば、
「跡部さまのことじゃなくて……侑士さんの」
『そちらはAには、どうしようもできないことでした。ごめんなさい』
私がお助けできないことでした。
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悠莉(プロフ) - I like choco さん» 休んでいた間に書き溜めていたおかげです(笑)ですが、お話のストックも尽きてしまったため続編はお待たせしてしまいます…無理はしませんが、ご心配ありがとうございます！ (2020年9月30日 22時) (
レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - 更新早いのすごい嬉しいです！ただ、無理はしないでくださいね！ (2020年9月30日 21時) (レス) id: 21ebe68129 (このIDを非表示/違反報告)
美麗 - 更新ありがとう｡ちょっと遅くなってごめんなさい｡拝見しました面白いかったよ｡ (2020年9月4日 0時) (レス) id: da294cd674 (このIDを非表示/違反報告)
美麗 - 返事有難うございます｡まぁ見えないのはありますが どことなく分かりますので大丈夫です｡テニプリは大好きです｡最も好きなのは青学 氷帝 立海 四天宝寺 六角かな何かさテニスの王子様ってさ夢見る乙女感じだよねぇ｡ずっと応援しています頑張って下さいねぇ。 (2020年9月3日 20時) (レス) id: da294cd674 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - 美麗さん» ゲーム機からだとページの読み込みとか大変ですよね…それでも私の作品も選んでいただけてとても嬉しいです♪応援もありがとうございます！更新頑張りますね！ (2020年9月3日 20時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠莉 | 作成日時：2020年5月16日 0時
