マネージャーは猫が好き

27匹 ページ27

.




「おやおや、可愛らしいお嬢さんが猫まみれになってる」



急に現れた気配に
私だけじゃなく猫たちまでもが声のする方を見た


そこにはつい先程会った胡散臭い男性
たしか音駒の主将さんだった気がする

研磨がクロって紹介してくれた様な……




『あ、えっと…青城のマネージャーの古谷です……えっと、クロさんでよろしかったでしょうか…』

「……ぶふぉ！！
おー、クロさんです。
古谷ちゃんは随分と猫に好かれてるみたいだね」

『はい。……昔から猫たちが寄ってきてくれるんです』




私の膝の上にいるクロの頭を撫でるクロさん

じっと見つめていたクロが目を細めて視線を外したので、クロさんは悪い人では無いのだろう

……顔は胡散臭いけど




クロさんはそのまま岩にもたれかかり座った

そこへやってきたのがゴン太だ


ゴン太はのしっとクロさんの膝上に乗り
堂々と寝始めた





クロ「こいつ肝座ってんな」

『彼は図太いですからね見た目も』




クロさんは笑ってゴン太を撫でた

クロさんって見た目に反して実はすごく優しい人なんだと分かった

話していて楽しいしどこか紳士的な言葉遣い


チームメイトの話をする時はとても楽しそうで優しい目をするのだ

研磨とは幼なじみらしい。



ふと、クロが鳴いた


クロを見ると私の後ろを見つめている

そっと振り返ってみると
木の影からこちらを覗き見るめいちゃんの姿が




クロ「どうした？」


『……いえ、今日は雨が降りそうですね』





そんなことを感じさせないような
爽やかな空を見上げながら


胸の中のモヤモヤとする気持ちを押し殺した








.









……なんだか嫌な予感がする

28匹→←26匹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す