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大きめのリュックを背負って目の前のスーツの男性の背中を追う。


ピシッと伸びた背筋と風に吹かれて靡くサラサラの黒髪、シワひとつないスーツの後ろ姿。

彼はたまに後ろを振り返っては、私を見てにこやかに微笑んだ。



「あと少しで着きますよ。荷物、重くないですか?」

「はい、大丈夫です」



彼は本田菊という名前で、多分私と出会って1ヶ月もないと思う。


小さい頃から人ではないものが見える私は両親が事故で亡くなって以来、頼れる親戚がいないため長いこと施設にいた。

色々あって何故か私を引き取って養子にしてくれることになったのがこの本田さん。現在その彼の家へ向かっているのだ。


……が、

この人はいくつなんだろう。

学生服を着たら高校生とも言えそうな幼さの残る顔立ちなのに彼の落ち着いた雰囲気はまるで何十年も生きたおじいちゃんのようにも感じる。

とても謎の多い人だ。

リュックを背負い直して、周りの風景を見ないように彼のピカピカの黒い靴を見つめながら俯いて歩く。



「さぁ、ここですよ。長旅ご苦労さまでした。直ぐにお部屋へ案内しますね。」



しばらくして、彼の声に顔を上げると目の前にあったのは昔の日本家屋。
とても大きなここがこの人の家らしい。


玄関を開けて私が入るのを待つ彼。

慌てて頭を下げながら玄関をくぐると、中には小さな茶色い犬がちょこんと座って私を見上げ首を傾げていた。



「おや、ぽちくん。ただいま帰りました。
この方は今日から一緒に住むことになったAさんです。」

「あ、よ、よろしくお願いします。」



犬に向かってお辞儀をすると、ひとつ吠えてしっぽを振りだした。


犬はどちらかと言うと苦手な存在なんだけど。

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金なし大学生(プロフ) - ポチの飼い主さん» コメントありがとうございます!後々祖国以外のキャラクターも出てくる予定なので誰が出てくるか楽しみに最後までお付き合い下さい! (4月3日 14時) (レス) id: e75eea13ca (このIDを非表示/違反報告)
ポチの飼い主 - 最近ヘタリア熱再発したんですけどこの作品見つけることが出来てよかったです。面白くなりそうな予感がします!ぜひ頑張ってください!!更新待ってます! (3月29日 19時) (レス) @page8 id: 064c9c6d48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:金なし大学生 | 作成日時:2024年3月29日 18時

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