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壱馬side
「声をかけてくる人は皆私をなにかに利用しようとしてきます。
ある国では呪術の道具にされることもあるのだと。実際されかけたこともあります。
いきなり襲ってくる人もいました。」
俺は言葉を失った。
18歳にしてそんなに辛い体験をしてきたのか。
「だから人を信用することができません。
川村さんと居ても私はきっと川村さんを傷つけるだけでしょう。」
壱「…優しいんですね。Aちゃんは。
俺が不幸にならないようにしてくれてるんですね。」
「傷つく痛みは人一倍知っているものですから。」
壱「そうですよね。
せっかくそう考えてくれているところ申し訳ないですが、やっぱり俺、Aちゃんのこともっと知りたいです。
もしかしたら傷つくことになるかもしれない。けどここで引いたら俺はきっと後悔することになると思うんです。」
話を聞いてさらにAちゃんを知りたくなった。
Aちゃんを守ってあげたくなった。
後悔はしたくない。
だからこそ俺はAちゃんと一緒にいたい
でも
「…前にもいました。川村さんと同じこと言ってくれる人。」
壱「…その人はどうなったんですか?」
「結局一緒だったんです。」
そう言って話し始めるAちゃんの顔はいつにも増して暗く曇っていた。
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作者名:Bliss of time | 作者ホームページ:http://uranai time
作成日時:2018年10月3日 2時