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壱馬side
壱「、まって!」
行ってしまったらもう二度と会えない気がした。
呼びかけても止まらない足
会いたいなら意地でも離すなって俺の脳内で繰り返される
俺は彼女の手を引っ張って抱きしめた。
「なっ、」
壱「いきなりすみません。でも話を聞いてくれませんか?」
「はぁ、分かりました聞きます。
だから離して。」
壱「ありがとう」
「それで、用件は。」
壱「君のことは何も知りません。
君がどういう人なのかも、どういう生活にしてるのかも。
名前だって知りません。
なのになぜか君が気になりました。
君のことを知りたいと思いました。
だから教えて欲しいです。ダメですか?」
この際当たって砕けろ。
そう思いながら聞いた。
この後俺は切なく
思いもよらない話を聞くことになるとは知らなかった。
.
.
.
「名前」
壱「え?」
「名前なんて言うんですか。」
壱「あ、あぁ、川村壱馬です」
「川村さんが私のこと気になった、
その理由教えてあげましょうか?」
彼女が何を言うかはなんとなく分かっていた。
壱「お願いします。」
そう言うと彼女はずっと被っていたフードを脱いだ。
指先まで覆っていたパーカーの袖も肘まで捲った。
「この見た目 そのせいなんじゃないですか?」
壱「確かに、そうかもしれません。けど今は見た目よりも君のことが知りたい。」
「AA、18歳、本来ならば高校三年生です。」
壱「Aちゃん、いい名前ですね。」
明るい言葉をかければかけるほど彼女の表情は曇っていく。
「川村さんはアルビノってご存知ですか。」
アルビノ?
なんだそれ。
壱「存じ上げないですね。」
「そうですか。なら結構です。
私はこの見た目のせいで珍しがられます。
川村さんのように声をかけてくる方も少なくはないです。
しかし声をかけてくる人は皆、___________。」
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作者名:Bliss of time | 作者ホームページ:http://uranai time
作成日時:2018年10月3日 2時