44 ページ44
純喜side
(人1)の病室を出て
すぐさま溢れ出る涙。
俺、ちゃんと笑えてたんかな、
人目をはばからずに
地面にしゃがみこんで泣いてしまう。
なんで
なんで、なんでこんなに
俺たちの幸せは
いとも簡単に壊されてしまうんだろう。
怒り、悲しみ、苦しさ
行き場の無い感情が湧き上がってきて
地面に拳を何度も叩きつける。
俺の事は忘れて、なんて
本心なわけがない。
特別なことなど
何も望まないから、
彼女とくだらないことで笑い合ったり
休日にどこかに出かけたり
お互いの誕生日を祝ったり
そんな
平凡な日常の中にある温かさを
彼女と分かち合っていたかった。
彼女の笑顔を
1番そばで見るのは
今までもこれからもずっと
俺だけでありたかった。
だけどそれは、
ただ単に俺のエゴであって、
それを
彼女に押し付けるのは違う。
俺の事で(人1)が辛い思いをしたり
危ない目に遭ったりするなら
愛する彼女に
俺が最後にできることは
これくらいしかないから。
｢またずぶ濡れになって
帰ってきそうで怖い｣って
奨くんが貸してくれた車に乗って
エンジンをかけて
シートベルトを締める。
“私ね、純喜が運転してるとこ結構好きなんだよね”
“なんでぇ？笑”
“ここは私の特等席だー！って
気持ちになるから！笑”
そう言って俺に微笑みかける
(人1)の姿が助手席に見える。
純 ｢…ｳｯ…ﾋｯｸ…女々しすぎるわ、俺｣
彼女がずっと幸せでありますように
笑顔でありますように。
そう願って
俺は二度と来ることはないであろう
(人1)の病院を後にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろごはん(プロフ) - miimiさん» 初めてお話を書いたので、そんなお言葉頂けて嬉しいです🩵ありがとうございます🥰 (5月16日 15時) (
レス) id: 2b3cdb359b (このIDを非表示/違反報告)
miimi(プロフ) - 感情移入するかってくらい切なくて泣きそうでした、素晴らしい作品です🥲💭🩵 (5月14日 21時) (レス) @page1 id: 80d331612c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろごはん | 作成日時：2023年5月11日 9時
