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〜智side〜
・
名残惜しい感触から身を離し
至近距離の潤んだ瞳と目を合わせた瞬間
「おわっ、！」
椅子をなぎ倒す勢いで翔くんは俺に飛びついた。
「…こんなのきいてない…」
胸に顔をグリグリと埋めて
半ば、投げやりにそう呟いた翔くん。
…一丁前に照れてやがんな？
その、天邪鬼な一挙一動が
嬉しくて仕方がなくて。
念入りに用意しておいて本当によかった。
…あぁ、やっぱり、だめだ。
俺の口角はどうやら、ネジがぶっ飛んだらしい。
「えー、言っちゃったらサプライズに
なんねぇじゃん」
それでも、必死に緩みきった筋肉を総動員させて
平静を装いながら、翔くんの頭を撫でると
「〜っ、おれ、ほんとに…っ、」
「ん？」
「だ、め…かと…」
" もうだめかと おもった "
確かにそう呟き、ありったけの力で
しがみついてくるもんだから
「…ちょっと、我慢な」
嗚咽を漏らす翔くんをひょいっと抱え上げて
ソファまで連れていく。
やらかいソファに腰を下ろした俺の膝の上に
向かい合う形で翔くんを乗っけると
有無を言わさずに首に巻きついた腕と震える肩。
落ち着く様に背中と頭に腕を回しても
より一層大きくなる嗚咽。
…少し、やりすぎたか？
そんな微かに生まれた罪悪感も、一瞬。
だって、こんなに満点の反応が
返ってくるなんて思いもしなかったから。
いつもの翔くんならこんな体勢、
絶対に恥ずかしがってしてくれないだろうに。
「っ、ばか…ばかばかばか！！
俺ほんとにショックだったんだから！」
「ん？どうして？」
「あなたが…っ、
出ていっちゃうんだと…思ったから……」
ほれ、ビンゴ。そんなこったろうと思ったよ。
…てか、寧ろそう思わせたかったから考えた
計画なんだけどね？
「別に泣かせたくてやった訳じゃねぇぞ。
普通のプロポーズだとつまんねぇじゃん」
「だからってさぁ…」
照れ隠しなのか、なんなのか。
絶対に内心では喜んでる筈なのに
口を開けば不平ばっかり募らせる翔くん。
俺から丸見えの、その真っ赤になってる耳が
全てを物語ってくれてるんだけどね。
それでも、俺は追い打ちをかけたくて。
「…そんで？」
「…なに」
「返事。してくんねぇの」
首筋付近に埋めてる顔を掴んで
頬を包み込む様に覗き込むと
途端にキッと睨みつけてくる目。
ぜんっぜん、恐くねぇな？おい。
むしろ、カワイイとすら思えてしまうよ
今の俺には。
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星羅*(プロフ) - 零。さん» 零。さんにコメントを頂けるなんて大変恐縮です！(泣)2人ならではの空気感を感じて頂けたことが何よりも嬉しいです。零さんもこんな御時世ではありますが、くれぐれも心身ともにご自愛下さいませ＾＾ (2020年7月26日 15時) (
レス) id: 1870687a4d (このIDを非表示/違反報告)
零。(プロフ) - 二人の温かな空気と穏やかさに癒されました。終わりにはどうか二人の生活が幸せに続きますように、と自然と思うとお話で心が暖まりました(笑)まだまだ落ち着かない毎日ですが、ご自愛ください。 (2020年7月26日 7時) (レス) id: ec56ac60c9 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - きよさん» 更新の度に、こうしてコメント欄にお越しくださるきよさんには本当に救われております！愛に溢れる御言葉に溺れてしまいそうです(泣)これからも初めての感情にやきもきする翔くんとスパダリな智くんを見守って頂けるととても嬉しいです＾＾ (2020年7月21日 0時) (レス) id: 1870687a4d (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅さん、世の中色々あり大変な中、本当にお疲れさまでした。そして更新ありがとうございます。自分の想いを自覚した翔くんは可愛いし、智くんは頼もしくて読んでいてホンワカと和ませてもらいました。これからも更新お待ちしています。 (2020年7月21日 0時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん、お久しぶりです！いつもあたたかいコメントありがとうございます！(泣)私も曖昧な終わらせ方をしてしまったのでこれは使命だと思い書き上げました！！原作とは異なりシリアスな場面は少なめですので気軽にお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年4月10日 10時) (レス) id: 44ba3bae8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2020年4月10日 0時
