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〜智side〜
・
『もう、限界なんだ。翔くんとのこの関係が』
嘘でも冗談でもない、本音。
あの日俺は 全てを賭けようと誓った
・
『ふふ。いい顔してる。お仕事楽しいのかな。
ちゃんと食べてるといいけど…』
衝動のままに、コンビニで購入した芸能雑誌。
表紙を飾るのは妖艶な顔つきで
読者を誘う華奢な男。
新人の歌手として和が生計を立て始めて
早くも数ヶ月が経って。
誌面いっぱいに広がる、弟の笑顔を
誇らしげに見詰めながらも
時折浮かべる、寂しそうな表情が切なくて。
俺は今まで以上に、あの家に
入り浸るようになった。
『もう…子供じゃないんだから
そんなに、心配しなくてもいいのに』
翔くんは呆れた様に苦笑しながらも
内心では嬉しそうに俺を歓迎してくれた。
幸せを分け与えるような屈託のない笑顔
一緒に食卓を囲み、団欒する憩いの時間
どれだけ仲が良くても
翔くんは変に俺のプライベートに介入したりしない
絵が描きたくなったらアトリエに籠り
釣りに行きたくなったら
夜遅くまで家を空ける日だって稀にあった
それでも
『趣味もいいけど、ちゃんと食べてよね』
翔くんはいつも部屋まで夜食とコーヒーを
運んでくれたり
俺の帰りを寝ずに待っててくれたり。
翔くんと過ごす時間は
居心地の良い空間そのものだった
そう。今までは
それまでで留まっていた
絶対の信頼で結ばれている親友であり幼馴染。
何よりも大切な家族。
肩書きなんて必要ない
ただ、隣に居て 笑ってくれれば
そう思っていたけど
＿＿＿＿今は、違った
一つ、同じ屋根の下で過ごす日々
大きめのシャツに身を包み
頬を紅潮させて出てくる湯上り
怖い夢を見た、と言って
いつの間にか隣に潜り込んでいる静かな夜
俺のシャツを握り締めて
あどけない寝顔を咲かせている朝
今までは、意識してこなかった些細な言動が
俺を試すかの様に、尽く頭の中で渦巻いていて
何度、その頬に伸ばす手を引っ込めたかわからない
何度、その頭を引き寄せて
その紅い花弁に食らいつこうとしたかわからない
翔くんのことが好きだと自覚してから
いつか、俺の中で抑えていたものが切れて
歯止めが効かなくなりそうで怖かった
そんな葛藤の中、こいつは俺を置いていく様に
どんどん綺麗になっていって
どんどん貪欲になっていく自分。
もう…幼馴染なんて枠には収まらない
俺は、翔くんの全てが欲しかった
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星羅*(プロフ) - 零。さん» 零。さんにコメントを頂けるなんて大変恐縮です！(泣)2人ならではの空気感を感じて頂けたことが何よりも嬉しいです。零さんもこんな御時世ではありますが、くれぐれも心身ともにご自愛下さいませ＾＾ (2020年7月26日 15時) (
レス) id: 1870687a4d (このIDを非表示/違反報告)
零。(プロフ) - 二人の温かな空気と穏やかさに癒されました。終わりにはどうか二人の生活が幸せに続きますように、と自然と思うとお話で心が暖まりました(笑)まだまだ落ち着かない毎日ですが、ご自愛ください。 (2020年7月26日 7時) (レス) id: ec56ac60c9 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - きよさん» 更新の度に、こうしてコメント欄にお越しくださるきよさんには本当に救われております！愛に溢れる御言葉に溺れてしまいそうです(泣)これからも初めての感情にやきもきする翔くんとスパダリな智くんを見守って頂けるととても嬉しいです＾＾ (2020年7月21日 0時) (レス) id: 1870687a4d (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - 星羅さん、世の中色々あり大変な中、本当にお疲れさまでした。そして更新ありがとうございます。自分の想いを自覚した翔くんは可愛いし、智くんは頼もしくて読んでいてホンワカと和ませてもらいました。これからも更新お待ちしています。 (2020年7月21日 0時) (レス) id: ae2dee5c90 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - きよさん» きよさん、お久しぶりです！いつもあたたかいコメントありがとうございます！(泣)私も曖昧な終わらせ方をしてしまったのでこれは使命だと思い書き上げました！！原作とは異なりシリアスな場面は少なめですので気軽にお楽しみ頂ければ幸いです！ (2020年4月10日 10時) (レス) id: 44ba3bae8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2020年4月10日 0時
