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「ねぇねぇ、昔の龍我ってどんな感じだった……？」
それは突然の事だった。
林間学校の夜、同室のヒナちゃんから
龍我の幼少期についてをおぼつかない様子で聞いてきた。
さっきまで“楽しかったね”なんて
今日の振り返りをしていた雰囲気とは打って変わって
お泊まりと言ったら恒例のトークが始まりそう。
それでも、特に内緒にする理由がないため、
ここは素直に答え始めた。
『今と変わらないくらいヤンチャだったよ』
私が1つ、龍我の幼少期を答えると
ヒナちゃんは食いつくような姿勢で目を輝かせている。
声にしなくても“それから？“”次は？”と
言っているのがひしひしと伝わってくる。
『……それから、毎年バレンタインデーは10個以上のチョコを貰って喜んでたのを覚えてる笑』
エピソードを思い出すと、
私も懐かしくてついつい微笑んでしまう。
“あんなこともあったな〜”なんて
他のことも思い出していると
あ……
ヒナちゃんが少しだけ、
顔を下に向けて黙り込んでしまっていた。
『ごめん……』
特にどちらも悪い事をしていないけど、
その姿を見ると謝らないとと思ってしまう。
「あっ…ごめんね！謝る事なんてないよ！」
私の声が聞こえた途端、
勢いよく顔を上げて、首を横に振る。
「ただ……」
それから、なにか言いたそうにしていたけど、
私と視線が合うと口を慎んでしまった。
ハイキングの時と比べて全く逆の雰囲気。
悪いわけじゃないけど、気まずさが勝っている。
その静かで淀んだ空気感を
私が放った言葉によって、
更に色んな意味で壊したのかもしれない。
『ヒナちゃんは…龍我のこと好き？』
決して強く言い放った訳じゃない。
ゆっくりと、落ち着いて、
ヒナちゃんを確かめるように聞いてみた。
顔を下から覗くように質問をすると、
ヒナちゃんは目をまん丸にさせて驚く様子を見せた。
「……好き、でも……、」
驚きながらも“好き”と誤魔化さず伝えてくれた。
にも関わらず、
何処かまだ続きがあるようだった。
「…私が“好き”って言ったら、Aちゃんは辛くないの……？だって、Aちゃんも…龍我のこと…」
『違うよ、そうじゃないよ』
ヒナちゃんの言葉の続きは、
私の気持ちを確かめるような心配が篭っていた。
でも……
ヒナちゃんに“龍我の事が好きでしょ”って聞かれても
本当の事は答えられないでしょ……。
『ヒナちゃんを応援したいな…』
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うさぎ(プロフ) - 初めまして！小説の雰囲気が素敵です。久々に美少年の作品を探してたので良い作品に巡り逢えた気がします！これからも応援してます！自分も美少年の作品を書いてるので参考にさせていただきます。 (2022年11月3日 19時) (
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作者名：ホワイトチョコ | 作成日時：2022年10月17日 23時
