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それから数週間。
グループが決まった日から
毎日4人で一緒に過ごしている。
授業もお昼休みも放課後も。
あまりにも楽しくて
入学式当時の私に教えてあげたい。
それから、
毎日ふたりで一緒に帰ることも当たり前になっていた。
でも、龍我が隣に並ぶことは落ち着かなくて
私の心臓は、ずっと音ががうるさかった。
……気付けば、
私は龍我を目で追うことが日常になっていた。
その先に、楽しそうな表情。
眠たそうに授業を受ける姿や体育は張り切る姿とか
色んな龍我を知ることが出来た。
少し昔の、
あの時の私の心が久しぶりに動いた気がした。
だけど、そんな今も
私の気持ちとは裏腹に
見つめた視線は返って来ない。
だって、その龍我の目には…
「龍我見てんの？」
『わっびっくりした、って大昇くん！』
すると突然、急に大昇くんから声をかけられた。
視線を外して後ろを振り向くと
大昇くんが紙パックの緑茶を飲んでいた。
「驚かしちゃってごめんね笑」
『大丈夫だよ笑…大昇くんはどうしたの？』
「俺は八代に用があってさ、来たらあれだから」
大昇くんは緑茶を飲みながら顎でクイッと方向を示す。
示された通り、再び視線を戻すと、
龍我とヒナちゃんが楽しそうに話しているのが目に映った。
そんなの見せられなくても分かってる。
私の目に映る龍我には
毎日ヒナちゃんが映ってること。
向けた視線が返ってきたことは1度も無いから。
きっと、傍から見れば、
今の私の姿がどれほど惨めか分かると思う。
いかにも、雰囲気が哀愁漂う。
「Aちゃんはどうなの？」
『えっどうって…？』
ひとつ大きなため息を吐くと、
またもや突然に大昇くんが質問を投げかけた。
大昇くんの“どうなの？”って
私の想いを聞こうとしてるんですか……？
「だからさ、何してるの？ってこと」
あっ、そっちですか！
流石にそんなズバッと聞いてくることは有り得ないよね。
大昇くん落ち着いてるし、優しいもん。
『ん〜…？何してたのか忘れちゃった笑』
「なんだそれ笑」
『ごめんごめん笑』
私は敢えて、
大昇くんと自分の気持ちを誤魔化した返事をした。
「じゃあ一緒に教室戻ろ」
私が“うん”と頷くと、
大昇くんは飲みきった紙パックを
廊下のゴミ箱にポイッと投げ捨てて
“ナイスゴール”と小さく呟いた。
結局、大昇くんが隣にいても
頭の中にはさっきの光景が残ったままだった。
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うさぎ(プロフ) - 初めまして！小説の雰囲気が素敵です。久々に美少年の作品を探してたので良い作品に巡り逢えた気がします！これからも応援してます！自分も美少年の作品を書いてるので参考にさせていただきます。 (2022年11月3日 19時) (
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作者名：ホワイトチョコ | 作成日時：2022年10月17日 23時
