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その日の帰り。
3年ぶりに戻ってきた実家に向かっていると
「A〜！」
声がする方に振り返れば、龍我が後ろから
手をブンブン振りながら私の名前を呼んだ。
私はその光景を見て、
小学生の頃を思い出したのと同時に、
てっきり同じ帰り道という事実を忘れていた。
「置いてかないでよ〜、これからは一緒に帰れるんでしょ？」
“一緒に帰る”
…今の私にはその発想が無かった。
小学校では班に別れて団体で帰宅。
中学では自転車で一人で帰る。
だから、そんな発想は頭の片隅にも置いてなかった。
「…A？」
『あ、ごめんごめん。一緒に帰ろっか笑』
「まじ！やった〜。久しぶりじゃん！」
それでも、断る理由がない私は、
これからも一緒に帰ることにした。
私が承諾すると、
龍我は驚きつつもガッツポーズしながら喜んでくれた。
その笑顔を見ると、私までつられてしまう。
気を取り直して2人で帰っていると、
私の小さい歩幅に龍我が合わせて
歩いてくれていることに気づいた。
脚が長いから絶対歩きづらいだろうなって思うけど、
そんなの当たり前かのように龍我の態度は普通だった。
だから私も気付かないふりをして、
歩幅が小さいまま歩き続ける。
帰り道はゆっくり沈んでいく夕焼けをバックにして、
地面に私だけじゃないもう1人の影が映った。
前までは無かった2人の影を見て、
私は無自覚に口角が上がったと思う。
「てかさ、」
すると、影を見つめていたら、
となりの龍我が口を開いた。
「同じ学校ならもっと早く教えてよ！」
聞かれると思ったその質問。
『いや私も今日龍我が居ることを知ったの！笑』
「じゃあこっち戻った時に連絡してくれても良かったじゃん」
『あぁ……それは…ごめんね』
私はあえて、連絡をしなかった。
でも、龍我が言ってることは理解出来る。
私たちは幼なじみだし連絡をしてもいい。
連絡したらきっと龍我は驚いたリアクションとか
楽しい会話が始まるんだろうなって予想が着く。
だから、本当は連絡したかった。
1番に龍我に伝えたかった。
だけど、離れている時に、
龍我が知らない人と楽しんでる動画や
新しい友達との写真をSNSで見ると、
私が入る隙なんて無くなってた。
龍我はもう遠く離れた人のように思ってしまっていた。
だから、龍我には連絡しないで
1人で高校生活過ごしていこうって考えた。
「次は連絡して！」
『わかった…笑』
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うさぎ(プロフ) - 初めまして！小説の雰囲気が素敵です。久々に美少年の作品を探してたので良い作品に巡り逢えた気がします！これからも応援してます！自分も美少年の作品を書いてるので参考にさせていただきます。 (2022年11月3日 19時) (
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作者名：ホワイトチョコ | 作成日時：2022年10月17日 23時
