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教室の扉を開けて中に入ると、
何やらヒナちゃんと龍我が盛り上がっている様子だった。
「あ！遅せぇよ！」
「Aちゃん！ちょっと座って！」
今にでも踊り出しそうな勢いで
ワチャワチャ騒いでいる2人。
言われた通りに着席すると、
「ねぇ見て！当たったの！」
『ん？何が当たったの？』
「花火大会のS席シート！しかも4人分！」
「おおおおー！！！ヒナすげぇー！！！」
携帯の画面をぐいっと顔に寄せられ見たのは、
夏休みに行われる花火大会のチケットだった。
基本、花火はどこからでも見れるけど、
ヒナちゃんが当てたのは、
1番花火が綺麗に見えるというS席シート。
私が“凄いね”と賞賛していると、
突然、ポケットにあるスマホが震えた。
スマホの画面を確認してみると、
ヒナ花火大会で告ろうと思う…!
と、あの時の約束を果たそうとする文が送られていた。
無理して作った約束は、
4人で遊びに行って、そこで2人の空間をつくり、
その間に告白するといった、
なんとも簡単な仕組み。
Aお!ついにだね〜!任せて!
ようやくその日が来る。
待ちに待ったと言うより、
心の奥底で来てしまったのか、とピリついた。
そんな私たちの会話も知らず、
龍我ははしゃいで喜ぶ姿を見せている。
一方、大昇くんは、
またもや紙パックの緑茶を飲みながら
落ち着いていた。
大昇くんはいつもこうだ。
はしゃぐ2人を横目に微笑んでいる。
私はその様子を見ていると、
「ん？」
視線がバチッと合ってしまった。
「花火大会、楽しみだね」
クリっとした目で私を見ると、
落ち着いた雰囲気の中に、
楽しそうにしているのが伝わってきた。
『……そうだね』
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うさぎ(プロフ) - 初めまして！小説の雰囲気が素敵です。久々に美少年の作品を探してたので良い作品に巡り逢えた気がします！これからも応援してます！自分も美少年の作品を書いてるので参考にさせていただきます。 (2022年11月3日 19時) (
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作者名：ホワイトチョコ | 作成日時：2022年10月17日 23時
