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___5月
林間学校が終わり、新しい月を迎えていた。
あの日以降、特にヒナちゃんと不仲になることは無かった。
いつものように笑いながら話して、
2人で仲良く遊びに行くこともあった。
だけど、ヒナちゃんと接している時は普通なのに、
何故か、林間学校の以前より龍我への気まずさが生まれていた。
今も龍我のことを目で追っている。
だけど、その理由は変わって居ると思う。
それは、“好き”だからじゃなくて
“2人の雰囲気を壊さない”ために空気を読むための
様子を伺う視線になった。
_______
……ｷｰﾝｺｰﾝ
4限目が終わるチャイムが鳴った。
「ご飯食おうぜ〜！」
いつものように龍我が私たち3人を呼びかける。
その声に反応して皆で1つにまとまれば、
お決まりの定位置に座り始める。
私の左にヒナちゃん、右に大昇くん。
対面に座るのが龍我であった。
隣のヒナちゃんとは、平気で顔を合わせて話せるのに、
対面の龍我とは心做しか目が合わせられなかった。
きっと、3人からすればいつもの私に変わりないだろうけど、
私が見える世界では息をするのも少し辛いくらい、
空気が濁っているように感じた。
『……あっ、ちょっとお茶買ってくる』
耐えられない私は、
3人が喋る何気ない会話を裂くように、
椅子を引く音を立てて立ち上がった。
「A行くなら俺も行こっかな！」
それに反応するように、
箸で卵焼きを挟みながら龍我が顔を見上げた。
『んーん、大丈夫。1人で行ってくるね』
そう伝えると、
「Aちゃん、俺も行こうか？笑」
冗談交じりで
次は自分の番と言うように大昇くんも関与してきた。
『んーん笑。本当に大丈夫！笑』
流石に引き留められ過ぎちゃうと勝手に笑ってしまう。
私は一言置くと、鞄からゴソゴソと財布を出して、
急ぐように教室を出た。
お茶なんて買うつもりなく向かう自動販売機。
さっきの言い方はちょっと悪かったかな、
と思いながら廊下を早歩きで進む。
自分の上履きを見るかのように
下を向きながら歩いていると、
「あれ…Aちゃん？」
どこからか声をかけられた。
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うさぎ(プロフ) - 初めまして！小説の雰囲気が素敵です。久々に美少年の作品を探してたので良い作品に巡り逢えた気がします！これからも応援してます！自分も美少年の作品を書いてるので参考にさせていただきます。 (2022年11月3日 19時) (
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作者名：ホワイトチョコ | 作成日時：2022年10月17日 23時
