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Aが話した夢は、
俺がタイムリープした内容と同じものだった。
まさか、リンク…するなんて。
夢の話をするAは、
辛いとか苦しいとかそんなんじゃなくて
“ごめんなさい”ってただ申し訳ない表情を浮かべていた。
大昇「俺が、離しちゃうほどひ弱だから悪い」
『いや、大昇くんは悪くないの』
大昇「じゃあさ…お互い、もうこの手を離さないでおこう」
『……うん』
大昇「その夢は、もう現実にはならないよ」
タイムリープを諦めかけた俺に、
もう一度
諦めない、諦めちゃいけない心が動いた。
___.
花火大会から帰宅して、
Aから貰ったフィルムを見た。
1年前の時は、席替えの時に貰った事実が
今日、フィルムを貰ったという事実に変わった。
この前のように、
1番最後のページのフィルムを灯りに透かす。
大昇「…………。」
俺の記憶では、“好きな順番”と
不器用な言葉が書かれていたはずだった。
だけど、
今、俺の目の前に移る文字は
“私の大好きな人”だった。
大昇「……変わってる。」
もしかしたら、
俺が過去で何か行動を起こすことで
現実がズレたり変わったりしている…のかも。
だったら、
Aの運命も変わるかもしれない。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年8月13日 0時