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……っ
………眩しい。
ゆっくりと目を開けると、
朝日が部屋から零れていた。
ベッドに横たわっていた体を起こし、
スマホを見ると、
朝9時。
日付も一緒。
最後に写真を破った日に戻っていた。
過去に戻った時は約半年以上をも過ごしてたのに、
こっち来ると、1分も経ってないなんて。
……っA。
時間が経ってないとか、
そんな呑気なこと言ってる場合じゃない。
俺は急いで、Aの家と向かった。
ピンポンピンポンと何回も家のチャイムを鳴らす。
お願いだから、
俺の考えが上手く当たってくれ。
頼むから、
生きててくれ。
チャイムを鳴らし続けていると、
家の中からドタドタと玄関へと向かって
勢いよく足音が聞こえてきた。
ガチャっと思いっきり玄関が開くと、
大昇「……っ!」
思わず息が止まるほどだった。
『大昇くん!!』
目の前に現れたのは、
俺の大切なA。
名前を呼ぶとそのまま強く抱擁した。
大昇「……良かった。」
『ありがとう、助けてくれて。』
密着する体から
Aの心臓の音が聞こえてくることが
何より安心できた。
『……ずっと、私を守ってくれてありがとう』
大昇「言ったじゃん、一緒に未来へ行こうって」
『うん!来年も再来年もこれから先もずっと一緒にいたい』
大昇「……A、好きだよ」
『私も、大昇くんが好き』
抱きしめ合ったからだを少し離して
顔を見つめ合わせると、
Aは少し照れた笑顔を見せて
そっと、ゆっくり目を閉じた。
そして、
叶うことのなかった、
未来で、
唇を合わせた。
fin.
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年8月13日 0時