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AM4:00





新しい空気が伝わる朝に、ふと目が覚めた。





ベッドから体をゆっくりと起こし、





自然にアルバムへと手を伸ばした。










そのまま、何も考えずに、





写真を1枚、丁寧に破いた。










目を開けると、





一日の終わりの空気が漂う。





もう一度あの日の放課後にやってきた。





俺はまた、急いでAの所へ向かった。










今度はもう





Aを離さず守る。











昨日の道。





同じように、Aの後ろ姿が見えた。





大昇「A!!」





周りの目も気にせず、大きな声で呼ぶ。





Aはその声に反応し、俺の方へと振り返る。





大昇「絶対にそこ、動かないで待ってて!」





遠くから走って近づいていく。





昨日は、近づきもできないままだった。





ハァハァと息を立てながら駆け寄る。





Aが、遠くから近づく俺を俺と認識した時は





もう0cm。





大昇「つかまえた」





そう言って、Aの華奢な手首をギュッと掴んだ。





『……なに?鬼ごっこ?笑』


大昇「じゃあ、捕まったから逃げれないよ笑」





すぐに冗談を言って可愛く笑う姿。





鬼ごっこ……なんて設定になったけど、





掴んだその手はもう離さない。





『いつも突拍子のない事するんだから笑』


大昇「おい笑、それはAだろ笑」


『……じゃあ家まで送ってもらおっかな〜笑…なんて笑』


大昇「いいよ」


『いや、嘘!冗談!大丈夫!』


大昇「ほら、早く行くぞ」





掴んだ手を引っ張って、2人で一緒に歩き出す。





触れた部分が、少し熱いのは





……気のせい、だよな。





とか言いつつも、





俺の心臓がバックバクなのは気のせいじゃない。





Aも、そんな気持ちだったらいいのに。





『あ、ちょっと待って!』





少し浮かれていた時、急にAが足を止めた。





『……キーホルダーが無くて』


大昇「えっ?カバンに付けてたやつ?」


『そう、ちょっとさっきのとこ戻って探してくる!』





そう言って





Aは繋がれていた手をスっと振りほどいた。





大昇「……ちょっと待て!!」





さっきの道まで、走って戻っていくA。





俺も追いかけようと足を踏み出した…その瞬間





キキーーーーーーーーッ





ダンッッッッ





曲がり角で死角になっていた車に気づかず





目の前で同じ過ちが繰り返されてしまった。





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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時

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