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昼休み
 



三年生の教室をのぞくと、
藤井君とA先輩が確かにお昼を一緒にしていた。





一つの机に二つのお弁当を広げて向かい合わせになっている。





あ…笑ってる





あんなに自然に笑ってるの初めて見た。





俺は入口に突っ立ったまま、二人の姿を眺めていた。





龍我「藤井くん!」





一歩を踏み出して中に入った。





藤井「あ!龍我こっちこっち〜」


『え、なんでいるの』





俺の姿を上から下まで視線を映して驚いた顔をしていた。





その熱い視線を無視して、
近くの椅子を引きずって隣に並べた。





龍我「…A先輩にテストの結果を伝えにきました」





コンビニ袋の中に入れたご飯と一緒に
テスト用紙を取り出した。





70点を超えた解答用紙から順に一枚ずつ見せていく。





『おー!すごいじゃん!』


龍我「ごめんなさい」


『なんで謝るの?ちゃんと守れてるじゃない』





最後に隠していた69点のテストを先輩の目の前に出した。





龍我「約束、守れませんでした…」





先輩は、クリスマスデートの条件が守れなかった点数を見て





眉を下げて黙り込んでしまった。





藤井「いやあ〜、龍我けっこう頑張ったよ!」





藤井くんがいれば、
なんとか和やかな雰囲気になるかな、なんて思ったんだけどなあ





コンビニで買ったパンを一口かじって
A先輩の表情を上目遣いで見つめていた。





そしたら、先輩の手がすっと伸びてきて





俺の頭にポンと置いた。





『頑張ったね、テスト』





顔をあげた先輩の表情は、ご機嫌な様子だった。





龍我「でも、クリスマス…無しですよね…?」


『んーん、行こうクリスマスデート!』


龍我「え?」


『頑張るっていう言葉、信じてたから、
クリスマスデート一緒に行こう』





A先輩が発した言葉は想像もつかなかった。





確かに、今日の狙いは、
結果的にクリスマスデートに行くことだけど、





それは、断れることが前提として考えていたこと。





まさか、先輩から肯定して、





クリスマスデートに行けるなんて思っていなかった。





俺は嬉しすぎて、





残りのパンを全部一口で食ってやった。




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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時

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