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“じゃあ”と照れくさそうに片手を上げながら
小走りでグラウンドに戻って行った。





なんだか、さっきまでの出来事が
私だけの特別感のある思い出になった気がする。





たった10分程のやり取りだったけど





体感は30秒くらい。





ほら、楽しい時は一瞬って言うじゃん?





那須先輩の走る後ろ姿を見ながら
さっきまでのやり取りを脳内で再放送した。





あの笑顔、反則だったな……





てか、覗き込む時顔近かったし!
本当にびっくりした!





那須先輩…絶対無意識だよね…





もうほんと、いつも不意打ちなんだから!





はぁ……でも





ちっぽけだけど、幸せな時間だったな…って





あれ?





…なんか忘れてるような……?





……あ!





『写真撮るの忘れた!』





想定外のことが起きすぎて
約束していた写真を忘れていた。





あの様子だと、那須先輩も忘れていそう。





那須先輩の方へ視線を向けると





既に色んな人に囲まれていた。





『あぁ…もう無理じゃん』


「まぁそんなこと言うなって!」





落ち込んでいる時、後ろから聞き覚えのある声がした。





『大昇先輩!?』





“よっ”と言いながら抵抗無く私の隣に座った。





『大昇先輩、何でここに?』


「いや〜、体育祭だから来ないとな〜って」


『…いや、そうじゃなくて、ここです!ココ!』





違う返事が来た大昇先輩に
ここだってベンチを指差しながら説明した。





「あ〜!ここね、ここ笑」





それを聞いて、私のジェスチャーと同じように
指を指しながら理解をしてくれた。





「那須の後ろ着いてったらさ、Aちゃんいて、
. いい雰囲気だったから邪魔しないよう隠れてた笑」





ここに来た理由が、なんとも大昇先輩らしかった。





「確かに、あれじゃあ声掛けれないよね笑」





那須先輩へと視線を向けながら笑う。





『え!聞いてたんですか』


「聞いてたって言うより聞こえてきた」





私の後悔がどれ程大の声で発せられていたのか…。





増してや聞かれたなんて恥ずかしすぎる。




それよりも、大昇先輩がまた隣にいて
一緒に会話をしていることが謎。





「早く行ってきな」


『無理です!』


「行けって笑」


『無理です!』





こんなやり取りがずっと続けられていた。





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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時

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