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私にとって初めてで
先輩にとって最後の体育祭は
那須先輩のクラスが優勝して幕が閉じた。
グラウンドから人が消えていく時
私たちはあのベンチに座っていた。
今度はちゃんと、那須先輩の隣に。
『那須先輩……!良かったです!本当に…』
「なんでAちゃんが泣いてんの笑、ほら」
横から那須先輩の手が伸びてきて
私の涙を拭う。
『だって……勝ったんですもん!』
「わかった、わかったから笑、こっち向いて?」
笑われながらなだめられて、
先輩の言う通り、隣へ顔を向けると
「はいっ、笑って?」
カシャ
那須先輩が自分のスマホで、写真を撮った。
「はは笑、ぶさいく笑」
『先輩がいきなり撮るからですよ!』
写真は
那須先輩は気持ちいい最高の笑顔と、
私は涙を垂らしながら驚いた顔で
記録された。
「これ送るから連絡先教えて?」
今度は、優しいほほ笑みでお願いをされる。
私は、すすんでポケットからスマホを取りだした。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時