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クリスマスデート当日。
少し長めのコートを着ても肌が冷えるほど
寒いクリスマス。
待ち合わせ場所には、
俺以外にも彼女を待つ男がたくさんいた。
A先輩は彼女じゃない、けど…。
結局、藤井くんには
先輩の好きな食べ物を教えてもらうことはなく、
今日を迎えた。
連絡先を交換したけど……
在り来りな質問は恥ずかしくて聞けなかった。
約束の時間、5分前。
俺の視界に、
A先輩が入った。
普段の制服姿から一変、
大人っぽいスタイルにやられそう。
『お待たせ、コート似合ってる』
学校と比べて、柔らかい表情を向ける先輩は
どうしようもなく好きという感情を溢れさせてくる。
龍我「じゃあ、行きますか!」
2人歩幅を合わせて、歩き出した。
今日のプランは
在り来りだけどショッピングデート。
補習のお礼も兼ねて、
先輩の好きなものを買ってあげようと思う。
龍我「A先輩は、何かハマってるものはありますか?」
『んー、最近だとぬいぐるみ気になってる』
龍我「なんか、可愛いですね笑」
『高校生にもなってぬいぐるみって恥ずかしいけどね笑』
あんなにサバサバしてるような性格なのに
ぬいぐるみが好きだなんて、ギャップだわ……
龍我「あ、じゃあこのお店どうですか?可愛いやつ、沢山ありそうですよ」
それはショッピングモールの中にあった、
カントリーチックなおしゃれなお店。
いかにも女の子が好きそうな感じかも。
先輩と足を運んで、そのお店の端から商品を見始めた。
『あ、これ可愛い』
棚に飾ってあるぬいぐるみを見て、喜んでる様子を見せた。
可愛いのは、先輩の方だよ!もう!
『あ!これいい!』
クリスマスのコーナーにあるぬいぐるみを見た時は、
さっきよりも大きなリアクションをした。
それは、誕生月によって色の違うぬいぐるみ。
12色分の並んだぬいぐるみを見て目を輝かせてる様子。
そういや、先輩のだったらどれになるんだろう。
龍我「先輩は誕生日いつなんですか?」
『あ、……。』
たかが誕生日を聞いただけなのに
反応が悪く、ぎこちなかった。
龍我「先輩?」
『あ!次のお店、見に行こう?』
そう言って足早にこの店を出た。
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作者名:ホワイトチョコ | 作成日時:2022年6月20日 21時