その少女、白くて赤くて黒くなる。【終わりのセラフ】 (ページ4)

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少女51人ページ4

「と、いうと?」

僕が訊くと、黒狐は静かに話し始めた

『……今まで、より強い力を求めて俺との契約に挑んだ奴は大勢いた

だが、全員俺の強い力を抑えられずに呑み込まれていった

そうなった奴らは殺された人間共がそうするようにしてたんだろうな

主がいなくなれば俺は次の主を待つそれでも、次の主も、その次の主も弱かった欲望が少なかったんだ

俺は挑んできた人間を呑み込んだその都度、主は殺された』

話している黒弧の顔はとても悲しそうだった

幾度となく人間に憑りついて、その度に殺されていくのは、彼自身とても寂しかったのではないか

『何年待っても欲望が強い主は現れなかった

そんな時、お前が現れた』

「僕?」

『ああお前はこれまでの人間とは全く違うと思ったんだ雰囲気が違った

そこで、お前を何とかここに呼ぼうとしたんだが、いくら強力な俺といえど、契約していない奴に話しかけることは無理だった

俺はただ祈ったよ

すると、奇跡なのか、お前は俺と契約をしようとして来た

そして今に至る』

「へぇ～……」

僕は黒弧の話を聞いて、緊張感と共に言葉を出した

すると、黒弧は不満げに口を尖らせた

『何だ、興味なかったか?』

「ううん違うの

……あの、僕は強いんだよね?」

『そうだ俺と話している時点で他の奴らと違う』

「わお

……で、黒弧は僕みたいな人間をずっと求めてた?」

僕の質問に、黒弧は首肯する

「……僕は、強い力が欲しい家族を……優ちゃんとミカを守り抜けるくらいの強い力が

そして、黒弧と契約できれば僕は強くなれて、黒弧も永い孤独から解放される

それって、願ったり叶ったりじゃない?」

僕が微笑むと、黒弧も笑って

『そうだな』

と言ってくれた

「じゃ、契約しよっか!」

『唐突だな……』

「良いじゃん!」

『はあ…… 新しい主は世話が焼ける……』

「あはは～」

―――――

黒狐(こくこ)

男

直剣

全長90cm程

憑依型

黒鬼シリーズの中で、最も強力

黒髪で、横は短いが後ろは腰まで長く、1つにまとめている

赤目

黒の軍服

角は生えていらず、狐の耳と尾が生えている

見た目は20歳程で、美形

狐に化けることができる

基本的にクールだが興奮することがあり、自身の力を発揮する

ユキは左腰に鬼呪、右腰に吸血鬼の剣を装備している