白いゼラニウムの花言葉

名前のない毒 -3- ページ14

中堂班も三澄班も予定の解剖を終え
片付けをしていると
葬儀屋さんが、ご依頼の方を連れて来られた。

「フォレスト葬儀社です。」

「A初めてだったよね？
ウチがお世話になってる
フォレスト葬儀社の木林さん。」

『あ、木林さん。お久しぶりです！』

「おや、Aさん ここで働いてたんですね」

サングラスのレンズを上にあげ、
胡散臭い笑顔を見せる

「え、Aちゃん知り合いなの？」

『昔、少しお世話になったことがあって…』

「なになにー？元カレとかー？」

『そ、そんなんじゃないですっ！』

「えー身の上話はそこまでにして
亡くなられた息子さんの死因に
納得がいかないと言うことで
ウチに来られました。」

咳払いをし、所長が私たちに声をかける

「死後10日、保存状態が芳しくなく
かなり熟しておられます。」

「急いだ方がいいと思うんで
立て続けで申し訳ないですけどお願いします。
どちらが担当します？中堂班か三澄班か。」

先生は一度ミコトと目を合わせると
何も言わず外へ出た。

「じゃあ、じゃんけんで
あみだくじ。サイコロ振りましょうか？」

それでも先生は何も言わず微笑むと
そのまま片付けを続ける

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