Episode.148 ページ6
｢分かったか｣
｢は、はい｣
｢分かりやすかったぜ。なるほど納得だ｣
ミスタとAには肯定以外の選択肢がない。二人でベンチに座って、その前にフーゴが仁王立ちしている。でも、フーゴの説明が分かりやすかったのは本当だった。フーゴ曰く、指輪の贈り主がメンバーのみんなであることを知っていたブチャラティは、そこまで大切にされているなら交渉材料として適していると考えた、ということらしい。
｢切り捨てもしない、殺させることもしない。ならば相手はこちらの指示に従うしか手段がなくなります｣
フーゴはそう言ってベンチに着席した。どうやら治まったようだ。でも、それなら尚のこと交渉というより脅迫な気がしなくもないんだが。でも、やっぱり一つ分からないことかある。
｢そうまでして私の仲間を呼んで、何がしたいんだろう｣
｢そこまでは分かりませんよ。ですが、ブチャラティは意味の無いことはしない｣
ブチャラティが遠くで電話を掛けているのを見ながら、ああ、ごめんみんなと心の中で謝る。全然無事なのに余計な心配をかけさせてしまう。そう思っていると、ブチャラティがこちらに歩いてきて電話を渡してきた。
｢お前に代われと言われた｣
｢あ、分かった。……えー、もしもし｣
誰に電話をかけたのかは分かりきっていた。リーダーであるリゾットに決まっている。だから若干怖かったのだが……
『何をしている』
｢ごめんなさい、交渉しに言ったらバレて交渉材料にされてます。すいませんっ｣
怖かった。やっぱり怖かった。素直に謝って今の状況をきちんと伝える。手が使えないのでブチャラティに電話を耳に当ててもらっているのだが、つい反射で頭をペコペコ下げてしまって一瞬声が聞こえなくなる。
｢でも本当、前に拉致された時より100倍元気だから安心して。なんならミスタに、迎えが来るまで食費出し続けてもらうから｣
｢何で俺なんだよ！！俺は嫌だからな！｣
『……まぁ、元気ならばいい。行くから待ってろ』
｢本当ごめんなさい。ギアッチョにも全然、本当に、全く、心配しなくて良いからって伝えといて｣
そこまで言って電話はブチャラティの元へ帰っていった。と言っても、あれはAのものなのだが。去っていく彼の後ろ姿を見ていると、ナランチャがひょこひょこやってきて何か聞きたそうにしている。
｢なに？｣
｢拉致されたって言ってただろ。どうなったんだ？｣
(そう)
(あの時はマジ死ぬかと)
(すげぇ！！)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (
レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ！お互いお疲れ様です！いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした！！番外編楽しみにしていますね！！！ (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください＜(_ _)＞ (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！途中から見始めましたが本当に面白かったです！番外編楽しみにしてます！ (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年2月23日 20時
