番外編.Fin ページ50
ギアッチョが来るまでそこで待っていると、10分としないうちに遠くからこっちへやってくる彼が見えた。その手には小物用サイズの紙袋が握られていて、少し中が気になる。
「おいッ!なんでこんなゾロゾロいやがるんだァ!?」
「遅いぞ、ギアッチョ。これはまぁ、一部は俺のせいだ」
一部はたしかにリゾットのせい。プロシュート達は完全にたまたまだ。ギアッチョがAに気付くと、手に持っていたそれを一瞬見て渡してきた。ちょっと雑に渡してくるあたり、これは照れている。白いその袋の中身は、どうやらAのために買ってきてくれたものらしい。
「中、見てもいいの?」
「ッチ!テメェに渡したんだから見ていいに決まってんだろボケッ!!」
そう言われてしまえば、遠慮なく。
中にはいくつか入っていた。唇が乾燥すると言ったのを覚えていてくれたのか可愛いリップクリーム。それに、絆創膏。私がよくツイてなくて、紙で指を切ったり転んだりするからかな。あとは、水色のお洒落なシュシュもある。
「シュシュだ!これ、今つけていい?」
「いちいち確認すんじゃねェ!てかつけろッ!」
水色のシュシュで髪をさっと結ぶ。最近髪を切りに行けてなかったけど、これのためにしばらくこのままで良いかもと思った。それに何より、水色だ。なんだかお揃いみたいで嬉しいじゃないか。
「ありがとう!他のも使うね」
ギアッチョにお礼を言うも、ニヤニヤ顔で見ていた一部のメンバーにキレていて聞こえてなさそう。呆れていると、リゾットの鶴の一声で全員黙った。帰るぞ、というリゾットに続いてほぼ全員で帰路につく。
「ここまで来ると、ソルベとジェラートがいないのは可哀想だね」
「これがメローネだったら仲間外れだなんだと騒いでいただろうぜ?」
たしかに。ホルマジオの言葉に本人も頷いている。二人にはお土産を買って帰ろうという話しになり、こうして大人数、それも仲間たちと帰れるのってなんだか幸せだなぁと思った。
少し前ならこんな事、思いもしなかったのに。
二人のお土産も買い、ようやく駅周辺まで来るとなんだか騒がしかった。さらに近付くと、前で駅員さんが大声でなにか叫んでいる。
「只今列車の衝突事故があったため、数日運行を見合わせております!大変申し訳ございません!!」
本当に幸せです。ただ……
「……ご、」
「ごめん、みんなぁぁああー!!!」
不幸なのは変わっていないようで
(謝るなって!)
(うぅ…)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ!お互いお疲れ様です!いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした!!番外編楽しみにしていますね!!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください<(_ _)> (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!途中から見始めましたが本当に面白かったです!番外編楽しみにしてます! (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まどろみ | 作成日時:2019年2月23日 20時