番外編.05 ページ49
「そういえば、ソルベとジェラートは?」
「あいつらは他人に興味もなけりゃ、基本部屋から出ねぇからな。俺が見た時はアジトにいたぜ?」
たしかに、二人はいつもそうだった。
結局、イルーゾォとギアッチョ、それからリゾットを除く全員で話し合った。こうなれば、リゾットに直接ことの真相を聞くしかない。満場一致で本部へ向かっていると、ちょうど目の前の階段からリゾットが降りてきているところだった。隣にはイルーゾォもいて、彼はこちらに気がついたようだ。
「あいつら……、なるほどな。つまりイルーゾォは、付き添いってわけだ」
階段を降りたところで二人と合流する。降りてきた方からみても、二人が本部にいたことは間違いないはずだ。Aがギアッチョのことを聞く前に、隣からプロシュートが前に出た。
「それじゃあ、俺たちに隠れてコソコソ何やってたのか、喋ってもらおうか?」
「……別に、隠していたわけではないんだかな」
リゾットが少し思案してそう答えた。それは嘘ではないだろう。ホルマジオやメローネに気付かれたくらいだし、本気で隠そうとしていたわけじゃあない。ただ、明かそうともしていないだけで。
「ブチャラティから幹部に推薦された。組織の体制も変わるし、この機会にどうだと言われたんだが」
「まさか、断ったのか!?」
「そんな訳ないだろう。ただ、正式に決定するまでは時間がかかりそうだと言われた」
組織は新しい形に変わりつつある。そのせいでどこも大忙しだから、それは仕方ないことだった。
「お前達には、正式に幹部となってから話すつもりだったんだがな」
ちらっとAの方に視線を寄越される。今日、ブチャラティ達のお見舞いに行くと教えていたから、情報の出処はAだとバレているようだ。苦笑いでそれに答えて、リゾットは軽く息を吐き出した。イルーゾォがさっきからキョロキョロしているのだが、どうしたのだろう。
「イルーゾォ?」
「ギアッチョはいないのか?」
「やっぱり来てたんだ!」
一段と笑顔になったAにイルーゾォが頷く。どうやら彼も、付き添いとして来ていたらしい。ても、別に嘘をつかなくても良かったのに。ここまで全員勢揃いしているのだから、意外と近くにいたりして。イルーゾォと同じくキョロキョロ辺りを見てみたが、それらしい人は見当たらない。
「少し店を見ると言って離れていったが……。あいつ、どこに行ったんだ」
「付き添いなのに自由だね……」
98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ!お互いお疲れ様です!いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした!!番外編楽しみにしていますね!!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください<(_ _)> (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!途中から見始めましたが本当に面白かったです!番外編楽しみにしてます! (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まどろみ | 作成日時:2019年2月23日 20時