幸福論 =4=

番外編.04 ページ48

ホルマジオはリゾットとも付き合いが長いから、それで何か違和感を感じたらしい。今日は本部に出向くと言うから気になって跡をつけたと。

メローネはチームの中でも情報通だ。最近リゾットが本部に行ってばかりだから、これは何かあると踏んで跡をつけたらしい。


｢二人共、その答えを私は知っているよ……｣


それは間違いなく、さっきブチャラティから聞いたあの話しが関係しているはずだ。Aはリゾットが幹部に推薦されていることを二人に話した。驚いてはいたが、最後には喜びに溢れている。でも、ならさっき見かけたギアッチョはなんなのだろう。仕事だと言っていたし、本当にただの見間違い？そんな偶然あるだろうか。


｢おい。お前ら、こんなとこでなにしてやがんだ？｣

｢プロシュート！と、ペッシ｣

｢おまけみたいな言い方はやめろよ！｣


二人こそこんな所で何を、と聞こうと思ったがやめた。ペッシが両手に抱えている紙袋から察するに、買い物にでも来ていたんだろう。一番休暇を満喫しているのは、意外とこの二人なのかもしれない。二人に事情を離すと、ペッシは驚いていたがプロシュートはそうでもなかった。


｢そりゃあ念願叶うってもんだぜ｣

｢嬉しそうだけと、あんまり驚いてはないね｣

｢今回の功績、まぁ主にAだが、それに加えて静粛の仕事も増えるだろうからな。幹部になった方が連絡も取りやすい。妥当だろ｣


そういえばブチャラティも似たようなことを言っていた。もしかして、この休暇は本当に貴重なもので、プロシュート達のように真面目に楽しんでおくのが正解だったのでは……


｢こうなると、イルーゾォとギアッチョがどこにいるのか気になるな｣

｢ギアッチョは仕事だって言ってたけど。でも、さっき見かけたと思うんだよね｣

｢は？仕事って……A、お前｣


全員から呆れたような目を向けられる。意味が分からず挙動不審になっていると、メローネが馬鹿だなぁとからかってきた。頬をつつくな。


｢A〜、俺たちは今"休暇中"だぜ？仕事なんかあるわけないだろぉ？｣


メローネはAの顎に手をかけてグイッと上に向けた。その目の見下しっぷりったらない。すごい馬鹿にされている。でも、たしかにこれは馬鹿だ。そんな簡単な嘘に騙されてしまうなんて、と恥ずかしさで埋まりたくなった。


｢だ、だってギアッチョが嘘つくなんて思ってなかったし｣

｢まぁ、なんで嘘をついたかは気になるな｣

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