Episode.147 ページ5
ブチャラティという男は、聡明で常に冷静沈着。そして人柄も良いから周りからの人望も厚い。まさにリーダーとしてピッタリの人財だろう。だが、そのブチャラティが今言っていることは、あまりにも彼らしくないことではないのだろうか。
「しょ、正気!?ブチャラティ!」
「正気だし本気だ」
「馬鹿だよ!!死にたいわけ!?」
交渉というから何かと思った。だいたい交渉とは話し合いだろう。こんなの話し合いじゃあない。ただの……ただの、脅迫だ!Aの持っていたバックから携帯電話を取り出し、電話番号を見ているブチャラティ。もういよいよ本当に彼の命が危ないと全力で説得にかかる。
「ブチャラティ!私が聞くから!この方法は本当にまずいって!穏便にいこうよ、ね?ブチャラティ!」
「それでも構わないが、これは良い機会だろう?それに、あくまでも交渉だ。そこは念を押すさ」
「ブチャラティー!!!」
「諦めろ、A。もうこうなったらブチャラティを信じるしかない」
「アバッキオまで……!ていうかじゃあせめて縄は解こうよ!?」
腕と体を縛られてベンチに座らせられていたA。隣にはフーゴとミスタが座っていて、逃げることなど不可能。まぁ、居なくても逃げるなんて無理だろうけれども。ナランチャはよく状況が飲み込めていないのか見ているだけだ。
「ブチャラティなら大丈夫だと思うぜ?」
「でもミスタ。ミスタがもし仲間を交渉材料にされたらどうする?怒るでしょ?怒るよね?」
「まぁ」
「まぁじゃないでしょ!!これからそれが行われるって分かってる!?」
必死だ。当たり前だろう。そもそも、ブチャラティ達と仲間達が争わないようにしようと思っていたのに。何故こうなった。これもAの不運のせいなのか。もう胃がキリキリと痛む。
「A、ブチャラティは貴方を信頼してると言ったんです。貴方もブチャラティを信頼して下さい」
「信じてるよ。信じてるけど、うちのチームは短気な人達が多いから……」
「ブチャラティがあそこまで攻めに転じているのは、その指輪が原因だと思いますよ」
この二つの指輪が原因?
意味が分からなくて首を傾げると、ミスタもそうなのか?とフーゴに聞いた。フーゴはどうやら、ブチャラティの行動をきちんと理解しているらしい。フーゴが舌打ちをした。え……フーゴ?
(この馬鹿野郎共がッ!)
(やべ、フーゴがキレた)
(ちょ、私を置いていかないでッ!?)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ!お互いお疲れ様です!いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした!!番外編楽しみにしていますね!!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください<(_ _)> (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!途中から見始めましたが本当に面白かったです!番外編楽しみにしてます! (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まどろみ | 作成日時:2019年2月23日 20時