Episode.181 ページ39
その日の夜、料理はイルーゾォとAの二人で担当し作った。誰も外食しようと言い出さない辺り、本当にこのチームらしい。それが貧乏性なのか、はたまた仲間思いなのかは人によるだろうが。
「イルーゾォ、こんなに作って大丈夫?」
「問題ない。むしろ食わなかったら酒は飲ませない」
イルーゾォはテキパキと作っていく。Aが一品作ってる間に二品くらいのペースだ。Aは簡単な前菜を担当していて、カルパッチョとブルスケッタを作り終えていた。しかし、イルーゾォはアクアパッツァにカチャトーラ、そしてAの希望でペスカトーレまで作ってくれている。
すごすぎる。
「まぁ十人分だし、これでも足りないくらいかな」
「メインは酒だろうからな。ガッツリしたものよりつまみ程度でいいだろう」
「私的には充分ガッツリだよ……」
カプレーゼを作り終えたところでAは一旦離脱する。お酒の確認だ。それは全員でお金を出してかなり買い込んだ。安いものから高いものまで色々。Aは酔うと途中から記憶がなくなるタイプなので飲み過ぎには十分注意しなければならない。だから今のうちに度数の高いものを確認しておこうと思った。
ワインやウィスキー、シャンパンまである。これは気をつけないと本当に酔い潰れる。人と飲んだことはあまりないから分からないが、自分は酔うとどうなるタイプなのだろう。
「A、マチェドニアを作るから切るの手伝ってくれ」
「え!本当!?やった!手伝う、手伝うよ!」
マチェドニア、日本でいうところのフルーツポンチみたいなやつなのだがこれが本当に美味しい。それに、キッチンにはリキュールも置いてある。甘めに作るつもりなのか、ありがとう。
「はぁ、早く食べたい……」
「ドルチェは好きなのか?」
「多分女の子はみんな好きだよ!」
それじゃあ今度何か作ってやろうとイルーゾォが言うので、恐らく自分の周りにはパァッと花が飛んでいる。嬉しい。イルーゾォの料理はどれも美味しいからドルチェもきっと絶品だろう。
________
________
「それじゃあ、みんな今回は私が乾杯の挨拶をすることに……」
「もう飲んでるぞ」
「え!?あーもう!乾杯!」
最後は投げやりに乾杯と言って酒を煽った。リゾットとイルーゾォだけはちゃんと乾杯に付き合ってくれた。それ以外はみんな、もう既に2杯目に突入だ。
(ペッシ)
(もうちょっと酔ってる?)
(まぁ、予想通りだけど……)
98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ!お互いお疲れ様です!いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした!!番外編楽しみにしていますね!!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます!面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください<(_ _)> (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!途中から見始めましたが本当に面白かったです!番外編楽しみにしてます! (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まどろみ | 作成日時:2019年2月23日 20時