幸福論 =4=

Episode.145 ページ3

｢お前、クソ弱いじゃねぇか｣

｢今度はアバッキオに弟子入りしようかな……｣


思っていた以上に歯が立たなかった。瞬殺された。やはり長年の経験者とじゃ話しにならないらしい。

場所を変えて、あまり人気のない広場。アバッキオとAで格闘技対決となったのだが1分と持たず。アバッキオにすごい呆れられたし、ナランチャなんて俺でも勝てそう、とか言っている。絶対勝てるとは言いきれないから否定はしない。


｢ま、まぁ、この通り、私は全く強くないから殺すとかまず無理｣

｢だがスタンドがあるだろう｣

｢私のスタンドは触れた回数によって不幸の度合いが変わる。私が触りきるよりみんながスタンドに気付いて逃げる方が早いよ｣

｢何故それで暗殺なんて続けられてるんだ？｣


ブチャラティの悪気のない一言がAの心を深く抉った。地面に片膝ついて呻いてるAに、何やってんだと呆れ声をかけるブチャラティ。若い子というのは、本当に、素直過ぎる。悪気がないどころか、純粋な疑問として投げかけらて瀕死。


｢わ、私は能力者じゃない人を事故死に見せかけて殺せるから。あと、自分は弱いけど仲間が強いからさ、戦闘面はカバーしてくれてる｣

｢なるほど、その能力はたしかに暗殺において便利だろうな。それに、できない部分は仲間が補ってくれる｣


何とか立ち上がり説明すると、ブチャラティも納得してくれたようだった。中々ダメージを受けたが、そろそろ未来を読ましていただこうか。Aがst3を出すと、ブチャラティが主にst3の頭をガン見していた。ブチャラティだけではない、全員頭を見ている。


｢鳥か？｣

｢コウノトリですね、頭だけですが｣

｢フーゴすごいね。そう、これはコウノトリ｣


st3は本になる前はコウノトリだ。頭だけ。それ以外は全て人型になっている。st3を本型にしたところでその仕組みを簡単に、隠すべき内容は隠して説明する。


｢st3の能力は、未来予知｣

｢未来予知！？そんな有能な能力のことを、ペラペラ人に喋るのは感心しないぜ？｣

｢ここは人もいないし、ブチャラティ達には信用して欲しいって言ったでしょ。まぁ、それで、この本が食べた相手の未来を日記として読むことができる。もちろん、ちゃんと日記から出られるよ｣


ブチャラティは何やら考え込んでしまった。他の面々も思うところはあるようだが、最終的にはブチャラティの決定に従うのだろう。







(さぁ)
(どうする)
(断るか、それとも)

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