Episode.153 ページ11
交渉を断るしかない。けれど、断れないとブチャラティは分かっている。リゾット達は必ずAを取り返そうとすると。……やはりこれは、交渉じゃない。
｢取り決めは、Aを信頼してだと言っていたな｣
｢俺たちはもちろん約束は守る｣
｢……いいだろう｣
そんな、ダメに決まっている。もし彼らにリゾット達の未来を見られたりしたら、先の戦いのことやトリッシュのことを知られ、ボスを殺すことだって難しくなる。なんなら、ボスに反旗を翻そうとしていることを知らされる可能性だってあるのに。
｢おいAッ！とにかく早くこっちに来い！｣
｢俺の胸なら空いてるぜ｣
｢ギアッチョ！みんなの未来を教えるなんてこと、いくら交換っていっても……本当にごめん｣
｢うっわ、俺Aのそういう所大好き｣
この状況なのにメローネが馬鹿なこと言ってるからスルーしてギアッチョに抱き着いた。しかしそれで尚大好きとか言っているあたり、本物の変態ってどこまでも恐ろしい。
とはいえ、メローネだけじゃなくギアッチョも別段焦っているようには見えない。リゾットもだ。何故なんだろう。未来を教えるなんて、そんなの絶対アウトだって分かっているのに。
｢A、お前は忘れているようだが、俺達が最後に未来を読んでもらったのはもう十数日前だ｣
｢う、うん｣
｢その時、こんな未来が書いてあったか｣
｢あ……な、なかった！｣
そうだ、そういえばなかった。ブチャラティ達とリゾット達が会うなんてこと、どこにも。じゃあ、どこかで未来が大きく変わった？元々、現在の少しの変化で未来は大きく変わるものだ。
｢恐らく変化の原因はお前だ。お前は自分の未来を読めない。しかし、全員分の未来を唯一読んでいる。お前の何かがこの状況を生み出したんだろう｣
｢私のせい……｣
｢だが、これが悪いものかはまだ分からない｣
そう言ってリゾットは、自分たち3人の未来を見てみろと言ってきた。この時点で未来が変わっているなら、仲間の死にも何か変化が起きているかも知れない。……そうか、だからリゾットはさっきの交渉を受け入れた。
｢分かった。良いよね、ブチャラティ｣
｢ああ｣
｢じゃあ、食べちゃうね｣
本にしたst3を三人に向けると、バクンッというもう聞き慣れてしまった音を立てて次々食べていった。ブチャラティ達は初めて見るので驚いてるようだが。
(生きてるのか？)
(もちろん)
(エグイな……)
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Crow(プロフ) - 定期的に読みたくなっちゃいます。5、6周はしてるから内容覚えちゃいました笑 これからの活動も応援してます (2020年2月9日 15時) (
レス) id: e5ce766b8a (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - るこさん» こんな何度も感想下さって本当に有難う御座いますッ！お互いお疲れ様です！いつかリメイクした作品も読んでいただけると嬉しいですm(*_ _)m (2019年2月25日 23時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
るこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎度のこと一つ一つのお話が面白く、描写の仕方や、感情の表現の仕方などとても凝っていて、本当におもしろく話に引き込まれました。そして本当にお疲れ様でした！！番外編楽しみにしていますね！！！ (2019年2月25日 17時) (レス) id: c7737debdf (このIDを非表示/違反報告)
まどろみ(プロフ) - ごみさん» ありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しい(泣)番外編もお楽しみください＜(_ _)＞ (2019年2月25日 17時) (レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
ごみ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！途中から見始めましたが本当に面白かったです！番外編楽しみにしてます！ (2019年2月25日 16時) (レス) id: 83e9aedb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年2月23日 20時
