56話 ページ10
そう言うと、2人は先程より目を見開き、私の顔を見る。
ヴィンテージ「その新聞は持っているか?」
少し早口気味で話したヴィンテージは、少し汗をかいている。
『...偶然持っていた』
持ち物を確認し、新聞を見つけた私はその新聞を手に持つと、ヴィンテージがそれを奪い取る
『おい、勝手なことをするな』
私の声を無視し、ヴィンテージは新聞を読む。
ヴィンテージがとある記事を見つけると、手に力が入ってしまったのか、新聞からグシャッという音がなる。
オメガもヴィンテージが見た記事を見ると、「え...」という声をこぼして固まる。
2人はしばらくその記事を眺めていて、その2人を見ていると、私は驚く。
2人の両目からは透明な大粒の雫が頬を伝い、ぽたぽたと新聞にシミを作っていたからである。
よし、後でライダーにダイナモで頭を勢いよくぶん殴ってもらうわ←
『何故泣く。
...なんだ、お前の兄は死んだのか』
と問うと、ヴィンテージは「...いや、死んでいない」と答える
『ならば、泣く必要など存在しない。
...だから、その醜い顔をやめろ』
そう言って、私はポケットから取り出した2つのハンカチを2人の頭の上にぽん、とのせる。
『ふん。面倒な奴等だ、本当に。兄と間違える奴もいるしな』
そう言いながら、ハンカチを取って私が手を置いた場所をおさえているヴィンテージを見る。
オメガ「...間違えてない。
アルバさんは、ヴィンテージの兄だった」
『何を言っているんだ。俺はお前らのことなど知らない』
ヴィンテージ「...いや、俺は見間違えない。
兄上は、兄上だ。」
兄上は兄上って...私は兄上ってことで良いのかな?よく分かんなくなっちゃった;
ヴィンテージ「少し、疑っていた。兄上は俺達のことを忘れたふりをしているのではないか、と。
...本当は覚えているんじゃないか、と。
だが、この記事を見てみると...兄上。
兄上は、本当に何も覚えていないのが分かった」
『は?』
私は首を傾げ、心底わからないといった声音で言う。
ヴィンテージ「見たところ、兄上には何処にも傷痕がない。これは奇跡とも言える。
だが、それだけで終わるわけがない。
頭を強打した...ならば
...記憶喪失になっていてもおかしくはない」
わぁ、名推理だ
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ロア - 100にした達成感!! (2022年9月9日 23時) (レス) @page31 id: f71c6b27b8 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 我、マルミサンなりさん» あ、同士ですね★私はどうだったかなぁ...忘れましたすみません; (2021年10月5日 18時) (レス) id: 12b41fccb0 (このIDを非表示/違反報告)
我、マルミサンなり - ナワバリで0.1%差になった事あるんですよ!まだその頃ランク10…wギリッギリでした…w (2021年10月5日 17時) (レス) @page50 id: 13d10a3301 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - スピカさん» 実は作者それ体験したことあるんですよwギリ勝ちしました。体験談入れたんですよねぇ。因みにスクショしました★(消してるかもしれない) (2021年10月4日 17時) (レス) id: 12b41fccb0 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 我、マルミサンなりさん» あ、私もなんか覚えてます。後でちょっと確認してきます!あと、名前に関しては大丈夫ですよ!! (2021年10月4日 17時) (レス) id: 12b41fccb0 (このIDを非表示/違反報告)
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