【twst】壮絶な過去なんて無いんだが。

バラ寮長の過去、さん。 ページ49

今度の背景は、何処かの舗装された道のようだった。







脇の方にある花壇にある花に近寄ると、本当にそこにあるかのような感じがする。









「えっ！リドルってイチゴのタルト食べたことにゃーの？」








「うん。お母様が身体に毒だからだめだって。」








「そりゃ食べ過ぎは良くないかもしれないけど....






あのさ、俺んちケーキ屋なんだ。今から食べに来いよ」








子供のアジサイ副寮長からの提案に「....でも、」と呟くと、








「1切れくらい大丈夫だって」








「俺はホールごと食いたいくらいだにゃあ〜」








二人からそう言われ、バラ寮長は小さな夢を叶える切符を手にいれた。







あの空間に戻ったとき俺は少し思った。多分これ、最終的には....











【真っ白なお皿に乗った、真っ赤な苺のタルト。ボクにとってはどんな宝石よりキラキラ輝いて見えた。】






【一口食べたタルトは、すごく甘くて、食べたことがないくらい美味しくて.....】







【ボクは一口ずつ味わいながら、夢中になって食べた。】








＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿【時間を忘れて。】








ああ、やっぱり。







オバブロする人が、このまま生きていけるはずはないもの。











　






「なんてこと！自習をサボっただけでなく、外で砂糖の塊を食べてくるなんて！」








バラ寮長の実家に戻ると、酷く怒った様子のバラ寮長のお母さんがいた。







「あの2人がリドルを唆したのね。あんな悪い子たちと、二度と一緒に遊ぶことは許しません！」







「ごめんなさい、お母様！もうしないから許して....！」







「お黙り！お前がルールを破るからいけないのよ。





ああ、やっぱり自由時間なんて持たせるんじゃなかった。もっともっと完璧管理しなくては.....」






.....完璧、かあ。








【ルールを破れば、楽しい時間まで取り上げられてしまう。】







【だからお母様の決めたルールは絶対に守らなきゃ。】







【この街で一番優秀なお母様は、いつでも正しいはずだから。】








　




【でも....ねえ、ママ。なんでだろう？何故だかとっても胸が苦しいんだ。】







【お誕生日だけでいいから、いっぱいタルトが食べたい。】








【お外でいっぱい遊びたい。】








【もっといっぱいお友だちが欲しいよ。】








　

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