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Aside
屋上で顔を撫でてくる風を感じながら、盛大なため
息をつく。
『ダメだ...もう生きて行く自信がなくなっ
た...』
祐樹「おいおい元気出せよ、A。確かに美少女
2人にあんなこと言われたら俺も傷つくけど...」
お前は言われねぇよ、安心しろ。
入学式も終え、今は昼食の時間だ。母親が作ってく
れた美味しくも不味くもない弁当を頬張りながら、
口から出かけた言葉を飲み込んだ。
言っちゃいけない事と言ってもいいことの境界線は
10年も一緒にいれば大体はわかる。
祐樹はそのルックスの良さゆえ小さい頃嫌な思いを
しているのだ。それこそトラウマになるレベルの。
俺もまあ自分の容姿のせいで今トラウマになるレベ
ルの被害を被ってるけどな。
屋上のドアが開いて1人の女子が上がってきた。
...また例の「TWICE」の1人だ。名前は確かー
MN「名井ミナです。先程は2人が大変失礼なことを
して申し訳ありませんでした。」
『い、いえいえ大丈夫ですよ!慣れてるし...』
数秒の沈黙。
祐樹「...で、名井さんはどんなようで俺たちの
ところへ?」
MN「えーと、お詫びってことで今度行われる
「TWICE」パーティーにお二人を招待したく
て...」
まじか。ていうかなんで祐樹も誘うんだ。嬉しいけ
ど。
祐樹「まじで!俺もいいの?」
MN「うん。桐谷さんも1人じゃ不安だろう
し...」
あれ、何か心の壁を感じる。
祐樹「行こうぜ!こんな機会滅多にないぞ!(朝言
ったこと覚えてるよな?)」
へいへい、逆らったらダメなんだろ。
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祐樹「なあなあ、お前部活何にするー?」
SHRが終わり、帰り支度をしていると祐樹が声を
かけてきた。
『帰宅部だな』
アルバイトしなきゃだし。
祐樹「えー、つまんねーの」
MN「ね、ねぇ」
名井が祐樹に話しかけてきた。
祐樹「ん?なんだ?」
MN「い、一緒に部活見学行きませんか?」
うわ、顔真っ赤になってやがる。
祐樹「いいけど、でも...」
祐樹は心配そうに俺の方の視線を向ける。
『2人で行ってこいよ。俺アルバイトあるし』
祐樹「...分かった。じゃあまた明日」
名井が後ろで「ありがとう」と口パクしてきた。
...どうやら「TWICE」という集団はめんどくさ
い奴らばかりらしい。
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作者名:ラクーン | 作成日時:2019年5月2日 22時