7.【マル2計画】 ページ7
ホームを出ても混雑は収まっておらず、少しの情けで栗栖の手を取った。
衛生材料の調達をする為に、コンビニに入る。
けれど、駅内のコンビニにはバンドエイドや消毒液しか並んでおらず、仕方が無いので駅前のコンビニに足を運んだ。
｢頬とかの打撲は湿布で、足は……包帯やないと痛いよなぁ…。擦り傷無いの土踏まずぐらいやろ？｣
｢お恥ずかしながら…｣
｢じゃあ、絆創膏は家にあるから湿布と包帯とテープ買うわ｣
｢ありがとう、ございます｣
｢やっぱ慣れへん？｣
｢まだちょっと｣
笑いを含めて問いかけると、眉を下げて笑いながら返してくれた。
カードで支払って店を出る。
｢足、辛いと思うけど家までいけそ？今やりたくてもハサミが無いから無理そうやねん…ごめんな｣
｢そんな！全然大丈夫ですよ！｣
｢ほんま？じゃあ早く家帰って応急処置するか｣
｢はい、！｣
歩き出した俺の右後ろを栗栖は歩く。
ペースが早かったかと思えばそうではないらしい。
彼女の癖なんだろう。
｢あ、家来るの初めて？｣
｢そうですね。お邪魔するのは初めてです｣
｢えっとな、ここからだと見にくいんやけど、あそこのウエルシアを右に曲がって少し行ったら家｣
｢え！結構立地条件良いんですね｣
｢そうやねん、凄い楽させてもらっとるわ｣
｢私の家、駅から遠いので羨ましい限りです…｣
｢まぁ全部が良いって訳じゃないからなぁ…今は慣れたけど、住み始めは音が凄くてすぐ引っ越そうかと思ったわ｣
｢確かに…都会すぎてもって所はありますね。私自身も東京出身の都会っ子なのでよく分かります｣
｢俺も東大阪やからずっと騒がしい環境で生きとるわ。都会に慣れると田舎に憧れるもんやからなぁ……あ、ここの二階｣
｢おー…？｣
俺が指差した建物を見た栗栖は不思議そうな顔をした。
｢あ、もしかして意外？｣
｢売れっ子さんは高層マンションって偏見がありすぎて…｣
｢あー確かにな。期待しとった？｣
｢いえ、逆にそういうのだったら嫌だなって思ってたくらいです。なんだか、鼻に掛けてる感じがして…｣
｢うわ、めっちゃわかる。急に相方が高いとこ住み始めたりしたらえーってなるし｣
栗栖を横目で見ながら音がよく響くコンクリートの階段を登っていく。
その間に上着の隠しから鍵を取り出す。
うちの鍵穴は何故か鍵が入りずらく、ドアの前で取り出して…としていては時間がかかりすぎる。
家についた脱力感を感じつつ鍵を差し込み、回した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナイト(´-ω- ` )))(プロフ) - ルーラ＠レアチーズさん» 返信ありがとうございます。無駄に戦闘機とか漫画とか詳しいもんで、すぐそっちに思考が行ってしまいました笑 (2020年3月4日 18時) (
レス) id: 6718dc95d6 (このIDを非表示/違反報告)
ルーラ＠レアチーズ(プロフ) - ナイト(´-ω- ` )))さん» え、凄い、気づいてもらえたのですね！ちょっとした隠しネタに気づいてもらえるのは凄く嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年3月4日 18時) (レス) id: eb42ac0a19 (このIDを非表示/違反報告)
ナイト(´-ω- ` )))(プロフ) - 読んだ時、これは涼風20型か漫画のどっちかか?と思いましたが、案の定そうでした。あっててよかった笑 (2020年3月4日 17時) (レス) id: 6718dc95d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
