花束は君へ届く紫橙赤 (ページ9)

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それから兄弟2人は話をしてて

俺は暇だったから花を見ていた。

おれが目をつけたのは

紫色の星のような形をした綺麗な花だった。

「お、桐山くんいい所に目つけたなぁ。
それリンドウっちゅう花でなぁ～綺麗な色の
花やろ！」

「っ…はいこの色めっちゃ好きですっ」

こんなちっぽけな会話ですら

俺は幸せを感じていた。

好きな人といると、時間の流れが早い。

「照史、もうそろ帰らな、お母ちゃんに怒られちゃうで！」

「せやね、帰ろか」

「お～またきてな！今度うちにご飯食べに来いや桐山くん！
あ、大毅のことよろしゅうな？どじやから！」

「はいっまかせてくださいっ」

「なぁ、照史、俺のにいちゃんにはさ？
照史が引っ越すって事は言わへんつもりなん」

家への帰り道だった。

真剣な顔でこっちをみつめながら

そう言い放った大毅の顔は悲しい顔だった。

「…言わへんっていうか、言いたくない。
辛いやんかっ」

「そうやけど…照史がいきなりいなくなったらにいちゃんびっくりすると思うねん」

「やっぱり、言った方がええのかな…」

「決まったら言って。
一緒におれもにいちゃんとこついてったる。」

「うん、じゃあね」

「おう、またあしたな」