花束は君へ届く紫橙赤 (ページ14)

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「…ありがとう、言ってくれて。」

「迷惑じゃ…ないんですかっ」

「ぜんぜん。嬉しいで～？その気持ち。」

今まで思いつめていた事や

引っ越しへの不安、

抱きしめられている嬉しさや緊張。

色々なものが混ざって涙が止まらなかった。

「泣かんでや～、俺会いに行ったるから。
約束…な？」

そう言って差し出された小指は

細くて、でも男らしい骨張った指で。

俺も涙ながらだけど、小指を出した。

引越しの日になって。

濵田兄弟は駅まで送ってくれた。

2人とも似たような笑顔で

手を振ってくれていた。

この時は誰も泣いていなかった。

また会えるって、分かってるから。

濵田兄弟とは、らいんで毎日話した。

大毅は相変わらずサッカーをしてる。

と、同時に彼女ができたらしい。

…と言っても男の子だけど。

智洋って言って、背が低くて可愛いんやって。

サッカー関係で知り合ったらしい。

大毅から告白したんやって。

ほんま勇気あるし、ポジティブな人。

ノロケ話はききたくなかったから

スタンプを大量に送ってやった。

あと変わったことといえば、

濵田さんとの呼び合い方かな？

俺は濵ちゃんって呼ぶようになったし。

濵ちゃんは俺のとこ照史って呼ぶようになった

引っ越してから1ヶ月が経って

大毅からは1週間に1回のペースでしか

らいんは来なくなった。

濵ちゃんとは相変わらず毎日話してる。

でも、やっぱりさみしい。

直接会ってたくさん話したいこともあるし。