芍薬の君。2(青×桃) (ページ10)

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望side

いい匂いする…流星さんの匂い……

ん？流星さんの匂い！？

パチッ

まだ寝てたいって気持ちに逆らって瞼をこじ開けるとそこには流星さんの顔のどアップ。

…めっちゃ近ない？

てかなんでうち、ちゃっかり腕枕とかしてもらってんの！？

えー…なんも覚えてないねんけど……

まぁええか、トイレ行こ。

ベッドから足を下ろして立ち上がると目に入ったのは鏡に映った自分やった。

なんで、なんで

上半身ブラだけなん！？！？

下半身は元々短パン履いてたしそのままやねんけど…

足になんか当たったと思って下向くと流星さんの
カットシャツが落ちてた。

流星さんの方を向くと昨日と同じバンドのツアーTシャツを着て寝てる。

もしかして…ヤらかした？

シてるときに意識飛ばしちゃった感じ？

あー、どうしよ。

流星さんに合わせる顔ないねんけどぉ……

「よし。」

頭を整理する為にトイレに駆け込んだ。

昨日の記憶をプレイバックして考え直せばなんか分かるかもしらんよな…

えっと…

「あれ、濵ちゃん？」

濵「お～！！望やん！！！」

「どしたん1人で」

濵「But 、日雇いバイトでぇす」

「いや、But の使い方間違うてんで…」

濵「いやそんな事より、あの～…藤井くん、やったっけ？あの子と今どんな感じなん？？」

「相変わらずアタックしまくってるけどなんも気づいてくれへん。」

濵「確かに今まで望が付き合った男とはまた違う感じやしな」

「どういう事？」

濵「今まではさ、上目遣いとかしたりしたらさ、男はコロッと堕ちてたやん。」

「え、そうなん。」

濵「そうそう、んで付き合ってすぐ襲われそうに
なって逃げるように別れるってのが絶対やったから…今望キラッキラしてんで？なんか恋する女の子って感じするわ。」

「え、ありがと…」

濵「俺が昔読んだったお姫様と王子様の話覚えてる？」

「あ、うん。なんとなくやけど。」

濵「あれに出てくる王子様に憧れて、お姫様みたいに可愛くなるっ！！って言うて3歳くらいから女磨き始めたやん？」

「え、そんな前から！？でも…確かに幼稚園に
リップ塗ってったりしてたな…」

濵「やっと望にとっての王子様が現れたんちゃん？」

「はっ！？」

濵「大切にしてもらいや？」

濵「おっ、噂をすれば王子様の登場や、邪魔者は
ここで失礼するわ。」