芍薬の君。(青×桃)

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望side


うちの部屋から出て行った流星さん。
この日を境に流星さんの態度が変わってしまった。


話しかけてもそっけなくて。
会社で会ってもとも子に心配されるくらい
そっけない流星さん。


ええなぁ、とも子としげさんは。
付き合って今が1番楽しい時とちゃう？


うちは今が人生で1番辛くて苦しい。


なぁ、流星さん？
なんでうちから離れて行ったん？
なんで今うちを避けてるん？



やのになんで




なんで









流星さんは悲しそうな顔してるん？







流れ作業のような仕事が終わった。

時刻は8時をまわっていた。




遅なったなぁー。なんて考えてるけど、
うちの頭を占めるのはやっぱり流星さんで。



とも子は早く仕事を終わらせて帰ってしまった。



大好きやったとも子も今は嫌いになりそう。



会社を出ると誰かに話しかけられた。

流星さん？





？「あんたがこの会社の受付嬢？」


そこに居たのは流星さんではなくキャバ嬢みたいな
見た目の女の人。


誰やろ？


「は、はい。そうですけど…」


莉「うちの名前は中村莉子。流星の彼女です。」


…流、星さん、の彼女……


「…流星さん彼女いないって…」


莉「昨日の夜から付き合った」


「き、昨日……」


莉「あんた目障りなんよね。金輪際、流星に近づかないで。」


「な、なんであなたにそんなことっ 莉「うちが！流星の”彼女”やから。」


「…っ、」


莉「どうせあんた流星に恋してたんやろ？流星は長年うちの事が好きでずっとアピールされててん笑
どうせ流星の天然を好意って勘違いしたんやろ？笑あほやん笑笑」


「ｸﾞｽｯ…っ、」


私はたまらずその場から走って逃げ出した。





人のいない無人公園のベンチで1人泣き喚く。


「りゅ、せ、さんのば、かぁ、ｸﾞｽｯ」




ここで作り話の少女漫画やったら
流星さんが迎えに来てくれるんやろうけど
今のうちの立ち位置はただの邪魔者。




「ｸﾞｽｯ…ｳｯｳｯ……好きになってごめんなさい…」




明日仕事行けるかなぁ…




涙を無理矢理止めて、重たい足取りで家に帰る。




流星さんの家の電気がついてる。




なんで？さっき止まったはずの涙がまた出てくる。

乱暴に家のドアをしめてお風呂に入って
ベッドダイブする。



ベッドに入ったはいいものの、真横の壁が愛おしい


壁の方を向きながら泣きじゃくる。





一睡もせずにただ涙を流す。




恋って、失恋って、片想いって、こんなにも苦しいって知らんかった。

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