止血 ページ6
*nakama*
ストレッチャーの上で痛ぇ痛ぇと言いながらもヘラヘラ笑ってる照史。
多分、アドレナリンが出てるから平気なんやろうけど、こっちは気が気やない。
アウトドアナイフで刺された腹部の傷はそれなりに深く、臓器損傷の可能性が否定できひん。ナイフが刺さったまんまやから、出血は最小限に抑えられてるのがせめてもの救いや。
反対に左腕の切創は、出血量が多い。出血の仕方からして切れてんのは静脈なんやろうけど、血が止まる気配はなく、ガーゼがどんどん真っ赤に染まっていく。
小瀧｢っ桐山先生…！、、止血代わります｣
中間｢あぁ、よろしく。照史、左手の指は動かせる？痺れたりしてへん？｣
桐山｢ぇ？はぁ、はぁ。あ、あぁ、おん｣
中間｢よし、ええよ。ちょっとお腹触るな｣
腕の神経損傷が怖かったんやけど、とりあえずは大丈夫そうやな。
刺傷は
救急センターに向かう為のエレベーターに乗ると、病棟のザワザワとした空気とは一転して、静寂に包まれた。
あまりにも非日常な出来事を目の当たりにして、気を張ってたからか、一気に力が抜ける。
ただ、それは俺だけやなかった。
小瀧「…桐山先生？っ先生？！」
中間「ん？照史ーっ、おい、照史ーっ。分かるかー？」
小瀧「中間先生…！」
中間「、、、失神してるだけやな、大丈夫。出血はさっきより落ち着いてきてるけど、傷の痛みは相当なもんやろうし、刺されたっていう精神的ショックもデカいんやろ」
止血の為に照史の腕を上にあげて支えながら止血していた小瀧が、声を上げた。
多分、意識が無くなったことで急に腕が重くなったんやろう。
小瀧の手前、冷静に判断しつつも内心で焦り始めたところで救急センターのある1階に着いた。
ここからは俺たちの出番はない。あとはもう救急の先生達に任せるだけ。
小瀧「桐山先生、、大丈夫、ですよね…」
中間「大丈夫やって。照史やで？そう簡単に死ぬわけないやん」
小瀧「そう、ですよね…！桐山先生ですもん！」
中間「じゃあ、仕事戻りや。ホワイトチームの書類作成せなあかんやろ？」
小瀧の後ろ姿を見ながら、深く息をつく。
正直、まだ足の震えが止まらへん。
…怖かった。
手の中で、ガーゼがどんどん血で染まっていく感覚が、こびり付いて離れない。
しばらくその場から動けへんかった。
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エミーリア(プロフ) - ふぇるさん» コメントありがとうございます！医療系のお話良いですよね〜！！リアルを追求するが故に更新が遅くなりがちですが、これからも読んで下さると嬉しいです！よろしくお願いします♪ (2023年2月8日 22時) (
レス) id: f671841eb7 (このIDを非表示/違反報告)
エミーリア(プロフ) - きのこの里さん» お返事遅くなってごめんなさい！コメントありがとうございます！今までのお話の中の伏線を思い出しながら、楽しんで頂けたらと思います！！これからもよろしくお願いします♪ (2023年2月8日 22時) (レス) id: f671841eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇる(プロフ) - 医療系のお話が好きで、一気読みさせてもらいました。とてもリアルな描写に一目惚れしました。これからも更新、頑張ってください！（語彙力の無さは気にしないでください。） (2023年1月29日 16時) (レス) id: 6e2686eef6 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの里(プロフ) - 待ってました！更新楽しみにしてます！ (2023年1月19日 3時) (レス) @page1 id: c631ff88c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミーリア | 作成日時：2023年1月19日 2時
