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リョーフキーは今一度現状を捉え直す。

これは単なるお喋りではない。最早、戦だ。しかもたった2人。一対一のタイマン勝負。使うのは拳でも剣でも槍でも弓矢でもない。






“舌戦”





そんな言葉が頭をよぎる。






下手な行動を起こせば即座に殺され、かといって何もしなければ…やはり、殺されるだろう。

自分は毎度の如く背後からの奇襲を狙ってくる厄介者だ。向こうからすれば相応迷惑に違いない。本来であれば逆に殺さない選択肢を取らないほうがおかしいくらいだ。




しかし、それでは困る。







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にこりと笑ったままの自分を見て、マリアは訝しげに首をひねった。





「随分と余裕みたいだけど…貴方、自分がいつ殺されてもおかしくない状況だってことわかってる?」



「ええ、もちろん。あーそうだそうだ。私の名はリョーフキーと申します。二つ名は『翠光騎士』。以後お見知り置きを」



「それくらい知ってるわよ…………まぁ自己紹介は礼儀だものね。

改めて、レオンブルク聖王国第一皇女、マリア=S=レオンブルク。よろしくね。早速だけど、本題に入らせてもらうわ。








私達は、この聖戦を終結させるために

貴方たちユランブルク氷帝国に、和平を申し入れようと思っているの。」






鮮血のような紅い瞳が自分を捉えた。

しかしそこには、まだあからさまな敵意があった。






「………なるほど、俺を呼んだのは和平交渉のためなのですね。しかし、ならば一介の騎士に過ぎない俺より外交長官と話を進めるべきでは?」


「あの男はダメね。私が話し始めた途端、血相変えて『出来ない』の一点張り。こっちも向こうも、老いぼれが頑ななのは変わらないのね」


「確かに」


「貴方を呼んだのは単純に貴方の存在が厄介だったから」


「なんだ、最初から殺すつもりだったんですか」


「ええ。でも、話もしないで判断するのは道理に合わないでしょ?だからこうして、貴方を私のところへ招いたの」


「お気遣い、痛み入ります」








マリアは疑い深く、目の前の男を見定める。

薄気味悪い笑顔を崩さないリョーフキー。以前本陣でクルエルダー達に八つ裂きにされたのと同じ人物とは思えない。おまけに今までに相手をした誰とも違う。単に肝が座っているのか、それとも……







「それで…和平交渉というからには、どうせ条件付きで承諾させるつもりなんでしょう?

聞かせてもらえませんか?その条件とやらを」








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・→←第26話 舌戦



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ノズル - コメントしてくれても…ええんやで(定期) (2018年12月2日 17時) (レス) id: 29d62f5c94 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - 復帰しました (2018年8月13日 9時) (レス) id: da0e8a2348 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - 本作でもよろしくお願いします。 (2018年7月24日 6時) (レス) id: da0e8a2348 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノズル | 作成日時:2018年7月15日 14時

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