埋み火 second【#コンパス】【男主】【アダム・ユーリエフ】 (ページ33)

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外伝 “δ” アダム一周年記念ページ33

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________アダム=ユーリエフが実装されてから、本日、平成30年9月25日で一周年となりました。

それと題しまして。

『シークと#コンパス』というssを執筆しました。

衝動書きしたものなので読み飛ばして頂いても構いません。

…………

ヒーロー名『シーク』

通称“藪医者”。財産、身分、国籍、性別、宗教問わずあらゆる人々を治療する。

…………

Voidollは、先程作成したばかりのデータを見て、そして目の前にいる黒髪の青年に目を戻した。

「…………シークサン」

「…………」

「タイヘンモウシワケナイノデスガ、アナタハヒーローニハフムキノヨウデス」

「………まぁ、だろうね」

何処までも続く真っ白な空間を見上げて、シークは深くため息をつく。

「にわかには信じがたいけど…君のさっきの説明が真実なら、俺の性質はただのエラー要因にしかならないと思うよ。俺そもそも戦うの苦手だし」

「………ナゼナノデショウ？」

Voidollは首を傾げた。

「ニンゲンハタタカウコトヲナリワイトシテイマス。アナタハナゼタタカワナイノデスカ？」

シークは突然目の前に現れた、よくわからない白くて硬い“何者か”の問いに困惑しながらも、答えた。

「俺だって戦わないわけじゃない。

だけど、互いに敵対して、競い合うことだけが戦いじゃないよ。俺の戦いは、命を救えるか救えないか、ただそれだけ。そこに、命の線引きは必要ない。」

「………」

「そもそも俺は、味方も敵も選べない、誰でも助ける人格者気取った、ただの優柔不断な愚か者に過ぎないんだ。

そんな奴にヒーロー(英雄)なんてもの、務まるわけがない」

…………

「デハシークサンヨロシイノデスネ？」

「うん。残念だけど、君の依頼は辞退させてもらうよ。でも…そうだな、青と赤…か…」

考え込むようにシークは目を伏せた。

「…ねぇ、えっと…Voidoll」

「ナンデショウ」

「……俺の元いた世界に、『マリア=S=レオンブルク』と『アダム=ユーリエフ』って人達がいるんだ。
多分君の言う世界にぴったりだと思うよ。彼らは血気盛んだからね。俺と違って。」

「……ワカリマシタ。ゴキョウリョクカンシャシマス」

そして、黒髪の彼は姿を消した。
Voidollはそれを見送ると、小さく呟いた。

「………ニンゲンハ “ムダ” ガスキ」

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