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第24話 暗示 ページ30

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時刻は真昼にも近づいた午前10時。

昨晩散々語り尽くしてベッドに倒れ込みそのまま意識を手放したアダムとリョーフキーの二人は、もぬけの殻になった木造家屋の一階で遅めの朝食を食べていた。

シークが気を利かせて作り置きの料理を用意してくれていたのだ。

暖炉は昨晩自分達が消したままだったが、部屋は思いの外暖かかった。







「ほらアダム、そろそろ出ないと」


「ん、ああ。すまない。ゆっくりしすぎたな」


「でも、こんなに余裕持って暇を謳歌できるのも久々だからなぁ。たまにはいいんじゃね?」


「確かにな」






と、アダムの視線が部屋の隅の植木鉢に留まった。
尖った葉が数枚生えているが所々変色している。

そう思った矢先、





「あ、シークのやつ…また世話サボってんな…」





突然リョーフキーは、汲んであった水を掬ってその名も知らぬ植物に水をあげ始めた。




「リョーフキー…なんだ、これ」



「ん?あーこれな。俺がリハビリ中だった時に、シークが最近植物育て始めたって聞いたんだけどさ?あいつってば道端で引っこ抜いてきた草をそのまま根っこごと水にぶち込んでたんだよ……」


「え…それ………根腐らないか?」


「俺さ、シークは薬学とか詳しいからてっきり植物の世話も出来るのかと思ってたら、まー大間違いだったわけ。で、しょうがないから少し前までは俺が世話してたの。これでも大分元気になったんだぜ?」







それに、アダムは適当な相槌しか返さなかったが、その植物の存在がどうも気になった。
植物の種類は詳しくない。後でソーンにでも聞くとしよう。


そうこうしているうちにリョーフキーはせかせかと準備を進めて扉の前で待っている。








「さ、行くぞ」

「……ああ」







心なしか、葉が先ほどより青々としているように見えた。







……………





王城に着いた頃にはもう昼時だったので、ソーンと昼食を食べる約束をしていたアダムは途中でリョーフキーと別れ、1人城の奥へと足を進めていた。

すると、前方に見覚えのある人影。
彼が振り返った。





「お、アダムじゃん。おはよ」





彼は、手元に大量の本を抱えたシークだった。




「……今もう昼だぞ」


「俺はその日始めて会った人には、早かろうが遅かろうが「おはよう」派なの」





そう言うシークに、アダムはふと違和感を感じた。









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ノズル - コメントしてくれても…ええんやで(定期) (2018年12月2日 17時) (レス) id: 29d62f5c94 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - 復帰しました (2018年8月13日 9時) (レス) id: da0e8a2348 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - 本作でもよろしくお願いします。 (2018年7月24日 6時) (レス) id: da0e8a2348 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノズル | 作成日時:2018年7月15日 14時

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