埋み火 second【#コンパス】【男主】【アダム・ユーリエフ】 (ページ24)

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第22話惜愛ページ24

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……………

「リョーフキー、少しいいか？」

大戦から3ヶ月。ようやく軍務に復帰しつつあったリョーフキーを呼び止めたのは白翼騎士ジェニドだった。

「はい、なんでしょうか」

「陛下から、直々にお話があるそうだ。今日の午後、昼食の後に執務室へ伺うように」

「あ、はい…わかりました」

その時、アダムは急遽舞い込んだ視察のため城には居なかった。

「…………リョーフキー、大丈夫か？」

物陰からシークがひょっこり顔を出す。

「お前…いつまで俺に引っ付いてるつもりだ？身体のことなら、もうなんともないぞ」

「精神面は？」

「すこぶる良好」

「とか言って、陛下の呼び出しが騎士団追放とかだったらどうする？」

「どうもしないさ。軍で活躍出来ないなら、お前のところでバイトとして雇って貰えばいいし」

「なんと横暴な…俺の給料の心配は無しか？」

「ははっ、臨機応変ってやつだ」

笑いかけるリョーフキーに、シークは目を見開き、そして悪戯っぽい笑みを浮かべたかと思うと

「将とは、」

「智、信、仁、勇、厳なり」

「訳すと？」

「知謀、信義、仁慈、勇気、威厳。これらが組織を率いる人間の器量となる。これらのバランスによって下の人間が付いてくるかどうかが決まる…って話だったよな？」

「さっすがリョーフキー！物覚えが早くてよろしい！」

「リハビリ中に大量に異国の兵法書読ませたの何処の誰だよ」

リョーフキーは自分の枕元にうず高く積まれた本を思い出し身震いした。

「まぁでも、新しい知識を吸収するのは悪いことじゃないしな。次の大戦では、シークの持ってた兵法書も参考にして、絶対にレオンブルクを背後からコテンパンにしてやるぜ！」

「うんうん！その調子その調子！元気があるのはいいことだから、

無理して訓練出ようとするのはやめよーね？」

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「………え？」

「お前今朝あんまり飯食ってなかっただろ？昨日は随分長く便所に籠ってたみたいだし…そういえば寝つきもあんまりよろしくなかったなぁ…確か夜中の2時くらいまで起きてたっけか。夜更かしは体に良くないって言ってんのに…あーあと3日くらい前に足首捻ったやつまだ治療してなかったよな？さーさーどうぞ医務室へいらっしゃい」

「おま……ほとんどストーカーじゃねぇかぁぁぁぁぁ！！」

…リョーフキーの悲痛な叫び声は、寒空の下に儚く消えていった

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