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その日は朝から土砂降りの雨で、両陣営は一時退却を余儀なくされた



もちろん、この間に虚を突くことも出来たのだが、生憎どちらとも、それが出来るような状態ではない


たった三日間とは言ったものの
両軍合わせれば死傷者の数は軽く百を超えた








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連日の戦で魔力を使いきり、疲労困憊していたアダムも

その日は団長専用に貸し与えられた個室のテントで横になっていた






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陽も傾き、辺りもすっかり暗くなった頃。

ようやく寝床で目を覚ました彼は
やはり、何かしていないと落ち着かないのが性分なのか、

徐に起き上がり、コートを羽織った







そして、寝起きの重い頭を抱えたまま、負傷者のいる衛生兵の元へ向かおうとした、その時




「騎士団長様!!!!」






外から、確認すらも取り忘れる勢いで、騎士の1人が飛び込んできたのだ

雨の中走ってきたのか、全身が濡れている
そこから 彼の異常な慌てぶりが伺えた。








アダムは暫し唖然としたが、すぐに我を取り戻すと自分のコートを その騎士に被せ、

勢いよく雨の中へ走り出た







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……………








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負傷兵達の合間を縫い、案内されるままに奥へ奥へと進んでいく



途中、他の騎士ともすれ違った



よもや誰かが奇襲を受けたのか、だとしたらここまでの騒ぎになる人物、師範か…それともまた別の騎士なのか…








進んでいくと、テントの一角に布で仕切られた部屋がある




中で朧げなランプの炎が揺れた。







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入り口には白翼騎士ジェニド。

そこでアダムは一度 胸を撫で下ろした。







「師範、一体…何が?」



小声で話しかけると、ジェニドは苦々しい表情で目を伏せる


…状況が理解できない。







「だから、何があっt」







と、








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「特例ですが、彼なら別に構いませんよ

ジェニドさん」








その声に、はっ とする。


布の合間から 声の主が顔をのぞかせた





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「…………シーク…?」









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そう、紛れもなく



その右頬の痣は、自分が知る藪医者のもの




だが その表情には明らかに疲労の色が浮かび、目は充血している。クマも酷い。








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徹夜明けの彼ならば、何度か目にしたことがあったが、その時以上に、今は疲れ切っているようで




いつもの朗らかな笑顔も、









無理矢理に口角を上げているようだった







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無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します!この小説、読んでて面白いし入り込めるのでとても好きです。文と文の間も狭すぎず広すぎずちょうどいいので見やすいです!まだ1しか読んでないので4まで読んだらまたコメさせていただきます! (2019年11月18日 15時) (レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントありがとうございます!自分も今まで挑戦したことのない文体で、かなり困惑しながら書いている場面も多いので、面白いと思っていただけて幸いです…! (2018年6月27日 7時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
N;Re(プロフ) - なかなか無い形態で面白いです。更新応援しています。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: 84a3c96542 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントしてくれても…いいんですよ(定期) (2018年6月26日 20時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - レオンブルク聖帝国を聖王国に改変しました。 (2018年6月17日 12時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノズル | 作成日時:2018年4月7日 9時

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