第7話 晩酌 ページ17
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その夜。
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「あー…なるほど、そうするだろうとは思ってたけど、やっぱり断ったのか…」
ビールにウォッカ、チーズにボルシチ、ハム、魚。
料理が所狭しと並べられているのは、とある酒場の一角…
ではなく、シークの診療所である。
「あー残念だなぁー、シークが王宮にいてくれたら、治療もすぐにしてもらえるし
美味しい つまみも たらふく食えるのにー」
「黙れリョーフキー。はっ倒すぞ」
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分厚い切り株の丸テーブルを囲んで、
アダム、リョーフキー、シークの3人は
遠征終了後恒例の飲み会を開催していた。
「いやしかし…アダム。あんた朝方貧血でぶっ倒れたくせに、よくそんな食えるな。
ほんと、お前の治癒能力には度肝抜かれるわ」
「傷の治りは早いほうだからな」
「無茶だけはしてくれるなよ」
「してない！」
「「説得力なさすぎ」」
「お前ら…ッ」
………
一方そのころ
イデアは1人、夜空を見上げていた。
今夜は雲が薄く、淡く光る朧月が東の空に浮かんでいる。
「失礼いたします」
「入りなさい」
扉を開けたのは、昼間の宮廷付きの1人だった。
「…………陛下」
俯く彼を見やった彼女は、ふっ、と微笑んだ
「気にすることは無いわ。私も、久々に面白い人に会えて楽しかったもの」
そう言って、しばし虚空を見つめる
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(全く、貴女も回りくどいことをしますね
医者の力量を見極めたいのなら、普通に希望者を募って試験でもすれば良いものを)
(大方俺を呼びつけた理由はわかってます。
そろそろバレてるとは思ってましたが、まさか公文書まで来るとは思いませんでしたよ)
(宮廷付きの給料も捨てがたいんですがねぇ…
ま、あいにく俺は、“藪医者”なもんで。
お断りさせていただきます)
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深々と、礼をしていた。
丁寧で 美しく かつ確固たる意志を象徴するかのような気配。
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ただ純粋に、人を助けることが好きなのだと、
権力も身分も人種も言葉も国境も関係ないと、
彼は楽しそうに、笑っていた。
「………いい友達をもったわね、アダム」
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そっと呟いて、
再び月を見上げる
「………きっと、もっと面白くなるわ」
氷冠が 妖しく 煌めいた
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無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します！この小説、読んでて面白いし入り込めるのでとても好きです。文と文の間も狭すぎず広すぎずちょうどいいので見やすいです！まだ1しか読んでないので4まで読んだらまたコメさせていただきます！ (2019年11月18日 15時) (
レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントありがとうございます！自分も今まで挑戦したことのない文体で、かなり困惑しながら書いている場面も多いので、面白いと思っていただけて幸いです…！ (2018年6月27日 7時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
N;Re(プロフ) - なかなか無い形態で面白いです。更新応援しています。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: 84a3c96542 (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - コメントしてくれても…いいんですよ（定期） (2018年6月26日 20時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
ノズル - レオンブルク聖帝国を聖王国に改変しました。 (2018年6月17日 12時) (レス) id: 4c1514854c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノズル | 作成日時：2018年4月7日 9時
